ゴミ?再利用?解体現場から出た産業廃棄物のその後

解体工事の現場では、建物を壊していくなかで木材やコンクリートがら、鉄、プラスチックなど、たくさんの「産業廃棄物」が発生します。

皆さんはそのたくさんの産廃ゴミたちが、どのように処理されているか気になったことはありませんか?

現場から出されたゴミは一体どこに運ばれているのか、正しく処理されているのかといった細かなところまでは、意外と知っているようで知らない部分なのではないかと思います。

 

実は産廃ゴミの取り扱いには明確なルールが設けられており、そのルールに則って処理されています。

 

最近は法律が整備されたことで違反をする業者もほとんどいなくなりましたが、このルールが敷かれていなかったひと昔前は、処分費の節約を理由に不法投棄をしたり、埋め隠してしまうような悪質業者が後を絶たなかったような時代もありました。

 

いくら法律が厳しくなったとはいえ、ご自身の解体工事で産廃処理を巡ったトラブルに繋がるようなことがあっては困ってしまいますよね。

そんなトラブルを回避するために大切なのは、「よく分からないから任せておけばいいや」と思わないこと。

 

そこで今回は、産業廃棄物とはいったい何なのか、解体工事の現場で出た後はどのような流れで処理されていくのかなど一連の動きについて、わかりやすく解説していきたいと思います。

1.  そもそも産業廃棄物ってなに?

具体的なお話に入る前に、まずは【産業廃棄物】が一体何であるかについて簡単に整理しておきましょう。

産業廃棄物とは、一言で言うと【工事などの事業で発生するゴミ】のこと。

 

皆さんはゴミと聞くと家庭ごみ(一般廃棄物)などを連想される方がほとんどかと思いますが、産業廃棄物は家庭ごみとは全く異なります。

 

処理の方法ひとつとっても、家庭ごみは市町村が収集・処理してくれるのに対して、産業廃棄物は廃棄物処理法という法律に則って排出事業者にあたる会社(解体業者など)が責任をもって処理しなければならないというような違いがあります。

 

産業廃棄物は法律上20品目に分類されるのですが、その中でも一般的な家屋の解体現場から出てくるのは以下のようなものです。

 

・がれき類(コンクリートくず/アスファルトくず)

・木くず

・鉄くず・非鉄金属(アルミなど)

・ガラス・陶磁器くず

・プラスチック類

・石膏ボード

・断熱材

・混合廃棄物(分別ができない、複数の素材が混ざった廃棄物など)

2.  産業廃棄物の処理は分別がカギ

産業廃棄物が現場から出た後どのように取り扱われていくかを決めるのは、現場での分別が鍵といっても過言ではありません。

 

例えばコンクリートに鉄が入ったまま運んでしまうと、【再利用できないもの】と判断されて、せっかく持ち込んでも引き取ってもらえないなんてこともあるからです。

 

そのため、解体現場では少しでも正確な分別を行うことが求められます。

 

なかでも重機での解体に入る前の段階(屋根材の取り外しや内装材の撤去など)などは機械では作業ができない細々した部分になりますので、職人が手作業で行う必要があります。

 

手作業と重機作業を組み合わせることで、分別の精度を上げているというわけです。

 

そしてこの工程が丁寧であればあるほど、次のステップである【中間処理】にかかる手間を大きく減らすことができますので、結果として処分費のコストカットにも繋がり、環境にも優しくなるため、まさしく一石二鳥ですよね。

 

解体工事と聞くと、重機でガシガシ壊していく工事をイメージされる方がほとんどかと思います。

 

ですが【分別】という観点でみると、裏ではスタッフたちが一つでも多くの産廃ゴミを資源として循環できるようにと一生懸命ゴミを仕分けていたり、こまめに掃除をしていたりと、お客さまには見えにくい部分での作業も色々とあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

3.  産業廃棄物の行く先とその後

では、こうして分別された廃棄物はその後いったい「誰が」「どこへ」もっていくのでしょうか。

結論から申し上げますと、【産業廃棄物収集運搬業】という許可をもった業者が責任をもって収集・運搬を行っています。

産業廃棄物収集運搬業の許可とは

産業廃棄物は収集・運搬を行うには都道府県の許認可を有していなければなりません。それが【産業廃棄物収集運搬業の許可】です。

この許可がないまま産業廃棄物の処理に係る事業を行うことは禁止されています。

 

ダンプなどに積まれた廃棄物は、多くの場合、まずはじめに中間処理施設と呼ばれるところに持ち込まれます。

 

ここは廃棄物をリサイクルできる状態にするための前処理をしたり減容することなどを目的とした施設で、産廃処理におけるいわば心臓部のような場所といってもいいかもしれません。

 

持ち込まれた廃棄物は計量をされたのちに廃棄物の種類や有害物質の有無などを書類や簡易検査を通して確認をしてから、選別の工程に移ります。

 

すでに現場でもある程度は分別された状態で運ばれてくるわけですが、中間処理施設でさらに丁寧に人の手や機械を使って素材や性状別に分けていきます。

この工程が丁寧であればあるほどリサイクル率を上げることができるため、結果として最終処分量を減らすことにも繋がるというわけです。

 

しっかりと選別作業をした後は再資源化の可能性の有無や法律・条例などを加味したうえで、然るべき方法で処理が行われます。

具体的な処理の方法は、大きく分けて4通りです。

 

①焼却

高温で燃やすことで体積を大幅に減らすだけでなく、有害物質を分解・無害化します。

燃やして減らす・安全にするというイメージです。

②破砕

大きな廃棄物(コンクリートがら等)を細かく砕く方法で、リサイクルや運搬をしやすくします。

③脱水

液体などを含む廃棄物から水分を絞り出して、重量を減らす方法です。

汚泥や浄化槽汚泥などを処理する際に使われます。

④溶融

廃棄物(主に金属くずやガラスくずなど)を1,000度以上の高温で溶かし、冷却して安定した固形物にする方法です。


この処理により、再利用可能な素材として活用できる場合もあり、スラグや再生原料として利用されることがあります。

 

つまり、中間処理を経た産廃の多くは捨てられているのではなく、なるべく資源として再利用できるように処理されていることになります。

まさにエコ!ですね。

 

~たとえばこんなものにカタチを変えています~

・コンクリート→再生砕石(RC)

道路の下地や駐車場、造成工事などに使われる素材になります。

・アスファルト→再生アスファルト舗装

古い道路を壊して新しい道路をつくるときなどに再利用できます。

・木くず→園芸や畜産向けのチップ、建材、バイオマス発電の燃料等

・ガラス・陶磁器くず→再生砂、路盤材、ガラス原料等

 

そして中間処理をほどこしてもリサイクルできないものだけが、最終処分場と呼ばれる場所へ送られていきます。

最終処分場とは、一言でいうと廃棄物を埋立処理している場所のこと。

 

現在では全体のおおよそ半分程度が再利用可能な資源になっていると言われていますが、どうしてもリサイクルが難しい場合はこうして埋立処理をしなければならない場合も多々あるのが現状です。

 

一方で、最終処分場は容量不足が懸念されており、埋立ができる場所が年々減ってきているだけでなく、新たな処理施設の建設がなかなか進まないという大きな課題を抱えているため、近年はより一層、再資源化の重要性に注目が集まっています。

4.  産業廃棄物の処理はマニフェストで管理

産業廃棄物は、どこでどう処理されたかを追跡できるように紙もしくは電子で管理することが義務付けられています。

それが【マニフェスト制度】です。

(公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)公式ホームページより引用)

この制度が義務づけられたことで、

・誰が出した産廃か

・誰がそれを運んだか

・どこで中間処理されたか

・最終的にどう処分されたか

といった一連のルートがすべて記録されるようになりました。

これにより、悪質な不法投棄などを防いで、より透明性の高い処理ができる仕組みづくりが出来あがったというわけです。

 

↓マニフェストについては下記リンク先でも解説しておりますので、ご興味のある方はこちらも是非ご覧くださいね↓

マニフェストとは? | 解体工事なら安心の神奈川県横浜市の石井商事【茅ヶ崎・鎌倉・藤沢・大和・綾瀬】

おわりに

ひと昔前と違って、産業廃棄物は厳しいステップを踏んでしっかりと管理されるようになりました。

このようにゴミをゴミのまま終わらせるのではなく、資源としてしっかりと循環させていこうという取り組みはどんどんとひろがってきています。

皆さんの解体工事から出た産業廃棄物も、身近なものに生まれ変わってどこかで重宝されているかもしれませんね。

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石井
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