いざ解体を検討するとなると悩ましいことの1つが、「家の中、どこまで片付けるべきか」問題。
結局は解体してしまうのだから、全部そのまま放っておいてもいいのでは?と思われるかもしれませんが、実はその考えは間違いです!!
その理由は、いたってシンプル。
- 費用が予定よりも高くなる可能性があるから
- 解体工事を始められないからです。
「え~?そうなの!?」となった方に向けて今回は、家の解体時にどこまで片付けたら良いのか、自分でやるのか・業者に任せるのか、また気になる費用面までお話していきます。
目次
1. 自分でやる?業者に任せる?
解体前の片付けをめぐっては、各家庭で様々なご状況があるかと思いますので、今回は、先日の現地調査の際にAさん(仮名)というお客様からいただいたご質問に沿って、お話を進めていこうと思います。
その時のAさんからのご質問は、次の通りでした。
どうでしょう。家の解体を検討された方なら、一度はAさんのような疑問や悩みが浮かぶのではないでしょうか。
今回のケースはご実家の解体とのことで、ご両親が長年生活されていたわけですし、家の中には大きいものから小さいものまでたくさんの生活の跡が残されていることが予想されます。
それを一から片付けなければならないとなると、何が得策なのか、何から手を付けるべきなのか分からずにパニックになってしまいますよね。
今回のAさんのご質問への答えとしては、解体前の建物には何も残っていない状態にしておく必要があり、処分はご自身でやっていただくのがベストです。
もちろん、予算に余裕があって、なおかつ自分たちで処分するのは面倒・時間がないなどのご事情があれば、多少の費用を投じて専門業者にお任せするという選択肢もアリかもしれませんね。
ですが、何よりも費用を少しでも抑えたい!という気持ちがあるのであれば、面倒でもご自身で処分を進めることをおすすめいたします。
2. 実は処分費がかかるもの/かからないものがある
先ほど、残置物の処分を業者に任せるとなると費用がかかる恐れがあるというお話をしましたが、意外にもすべてに費用がかかるわけではありません。
実は産業廃棄物として処分できるものであれば、解体業者のほうで処分することができます。
処分費がかからないもの
「産業廃棄物として処分できるもの」と言われても、いまいちピンときませんよね。
産業廃棄物の説明は後ほど詳しくさせていただくとして、その対象には次のようなものがあります。
- 木製品
木材で作られたタンスや大型家具、昔のお家ですと仏壇など、いわゆる「木製家具」や「大型家具」に類するもの。
- 鉄製品・スチール製品
鉄やスチール製の机、棚、椅子など。
ただし、業者によって無償で処分してもらえるものが異なる可能性があります。 契約前までにどこまで処分してもらえるのか、別途処分費がかかる場合はどの程度上乗せになるのかを確認しておくと安心です。
石井商事では、そのほかにも一部、残置物の無料引き取りサービスを行なっています。
詳細はリンクを貼っておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
処分費がかかる恐れがあるもの
一方で、次に挙げるものは業者を使うと費用が発生する恐れがあり、私たち解体業者でも処分ができないため注意が必要です。
- 生活雑貨
- 家電類
- 書類や紙類
- 衣類などの布類
- 大型家具(木製・鉄製・スチール製以外)
ただし、このうち粗大ゴミ以外は業者を使わなくてもご自身で処分できるものばかりなので、時間と手間さえ惜しまなければ業者を使わずに無料で処分ができますので、そこまで費用面で気負わなくても大丈夫かと思います。
3. 一般廃棄物と産業廃棄物の違いとは
先ほど「産業廃棄物」というワードを出しましたが、いわゆる処分するもの(廃棄物)は、大きく一般廃棄物と産業廃棄物の2種類に分類されます。
そもそも、これらの違いって何なのでしょうか。たとえば可燃ゴミや不燃ゴミなど生活する中で出るゴミは一般廃棄物にあたり、ゴミ収集の際に出して、無料で持っていってもらうことができます。
一方で、一般廃棄物以外のゴミのことを産業廃棄物と呼んでおり、解体工事の際に出る廃材なども当然この産業廃棄物に分類されます。
どちらの廃棄物も、収集・運搬をするには許可の取得が必須になりますが、一般廃棄物の収集・運搬は市町村の管轄であるため、民間業者が新たに許可を取得するのは難しいとされています。
一方で産業廃棄物においては、都道府県の審査をクリアすれば登録・許可が下りる仕組みとなっており、解体業を営んでいる業者であれば処分・運搬のための必須許可の一つでもあります。
当然、いずれかの許可しか得ていないにもかかわらず、許可のない方の廃棄物を運搬するのは法律違反。
つまり、家庭ごみのような一般廃棄物を解体業者が収集・運搬するには、一般廃棄物の許可を取得していなければならないのですが、先ほどお話した理由などから、ほとんどの業者が産業廃棄物の許可しか取得していないのが実態です。
そのため、処分費がかかってもいいからどうしても一般廃棄物も一緒に処分してほしいということであれば、許可を有している業者を探す必要がありますので注意しましょう。
4. 片付けは計画的に行いましょう
これまで見てきたように、一般廃棄物の処分は許可を有していない解体業者では行うことができないため、残置物の中で一般廃棄物にあたるものは、解体工事が始まる前までにすべてご自身で処分していただくのが理想です。
とはいえ、家具・家電類をはじめ、家のなかにあるもののほぼ全てが一般廃棄物にあたりますので、すべてを片付けるとなるとそこにかかる時間や手間はかなり膨大になりますよね。
着工直前に慌てることのないよう、解体工事を検討されている・既に話が前に進み始めたという方は、スケジュールを決めて計画的に処分を進めるようにしましょう。
もちろん、ただ処分するだけでなく使えるものは活用してほしいということであれば、リサイクルショップや無料引き取り業者などを利用するという手立てもありますので、そのあたりのサービスをうまく活用してみると良いかもしれませんね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はAさんからのご質問に沿って、解体工事前の片付けについて解説してまいりました。
Aさんのように、残置物の処分に困っている・無料で〇〇してほしいという方は非常に多くいらっしゃいます。
私たち解体業者が大前提としてお願いしているのは、工事の前までに建物の中にあるものはすべて撤去しておいていただくということ。
ただし、すべてを撤去するのは難しいかも…とご不安な方には、弊社のような一部無料引き取りサービスを提供している解体業者や、一般廃棄物の収集・運搬の許可を得ている解体業者を探してみたり、収集業者を別で探すという方法もあります。
もっとも、費用を極力抑えたいという方には、ご自身で処分していただくことをおすすめしておりますので、そのあたりはご自身のご都合に合わせて、より良い手段で片付けを進めていただければと思います。
実家を相続することになったのですが、既に自分たちには持ち家があるので取り壊そうと思うんです。
中にある家具や家電は古いですし、使い道もなくて処分したいのですが、解体工事の際に処分してもらうのがいいのか、自分たちでどうにかすべきなのか、どこまで片付けておけば良いのかなどの判断がつかず…どうしたら良いですか?