どこの業界でもメディアなどで時々取り上げられる、悪徳業者の存在。
世の中これだけの会社があれば、その中に良い業者・悪い業者があっても何ら不思議ではありません。
当然、悪い業者が撲滅されることに越したことはないのですが、それには多くの時間と労力がかかってしまいます。
では、サービスを受ける立場にある皆さまは、どう気を付けたら良いのでしょうか。
その答えは、正しく見極める目を持つこと。
騙されて泣き寝入りしないために最も大切なことは、やはりこれ一択だと思います。
そこで今回は、私たち石井商事が思う、こういう解体業者には気をつけて!というポイントをご紹介します。
1.悪徳業者の見分け方のポイント3つ
悪徳業者とは、その名の通り悪徳商法を行なっている業者のこと。
こうした業者は普通の業者と違って、違法性のある工事を行なっていたり、廃棄物の処理を正しく行っていなかったりと、多くの点で間違ったことをしているのです。
皆さまには、こうした業者をどのように見極めるのか、悪徳業者を見分けるポイントを3つほど覚えておいていただきたいなと思います。
①許可・登録をもっているか
まず最初の見分けポイントは、「許可・登録」があるかどうかです。
解体工事を行うには、以下のいずれかの許可または登録が必要となります。
- 解体工事業登録
- 建設業許可
非常に稀なケースではありますが、これらの最低要件すらも満たさずに工事をしている業者が存在します。
当然、そうした業者はもってのほかですので、注意深く見るようにしましょう。
そう言われても、そもそもどちらもあまり聞き馴染みがないという方がほとんどですよね。
まずは、各々ご説明したいと思います。
解体工事業登録
解体工事業登録とは、建設リサイクル法に基づいて定められた、解体工事を行うために必要な登録制度のこと。
この登録さえあれば、工事をすること自体は可能になります。
ただし、税込500万円未満の工事しか請け負うことができないという縛りが設けられている制度になっています。
建設業許可
建設業法で定められた許可制度で、建設工事を請け負って営業するために必要なものを建設業許可といいます。
解体工事を行いたい場合は、
- とび・土工工事業
- 建築工事業
- 土木工事業
- 解体工事業
上記のうち、いずれかの許可を取得している必要があります。
先ほどの解体工事業登録との大きな違いは、税込500万円以上の工事を請け負うことができるか否かというところにあります。
つまり、500万円以上の規模の工事を請け負う場合には、建設業許可を有していなければなりません。
そしてこの建設業許可は、下請発注金額の制限の有無によってさらに2つの区分に分けられています。
- 特定建設業許可(制限がない)
- 一般建設業許可(制限がある)
簡単にまとめてみましたが、解体工事業登録と建設業許可、どちらが良くてどちらが悪いということではありません。
大前提は【許可や登録を有している】ことを確認することですので、まずはそこに注目してみてください。
その上で、強いて参考までに特徴を挙げるなら、解体工事業登録は、比較的容易に取得出来てしまうために新規参入の業者に多く、建設業許可は、解体工事業登録に比べて厳しい基準が設けられているという点で、ある程度の実績がある会社が取得するケースが多いと言われています。
②産業廃棄物の処理方法が正しいか
次に見ていただきたいポイントが「産業廃棄物の処理方法」です。
解体工事において忘れてはならないのが、産業廃棄物がいかにして処理されているのかを知ること。
産業廃棄物とは、事業活動によって生じた所謂「廃棄物」のうち、法律で定められた6種類と政令で定められた14種類を合わせた計20種のことを指します。
具体的な種類は、以下の通り。
燃え殻 | 汚泥 | 廃酸 | 廃アルカリ | 紙くず |
廃油 | 廃プラスチック類 | 木くず | 繊維くず | 動物性残渣(ざんさ) |
ゴムくず | 金属くず | がれき類 | 動物のふん尿 | 動物の死体 |
ガラス及び陶磁器くず | 鉱さい | ばいじん類 | 産業廃棄物を処分するために処理したもの | その他 |
解体工事では、当然ながら木くずなども多く出ます。
つまり解体作業で発生する廃棄物も、産業廃棄物に該当するというわけです。
こうして出た産業廃棄物は【マニフェスト】と呼ばれる、処理が適正に実施されているかどうか確認するために作成される書類で管理することが法律で義務付けられています。
産業廃棄物の本来の正しい処分工程は、保管→収集・運搬→処分(中間処理など)の順番となっており、これを排出事業者が、責任を持って処理することになっています。
ですが、悪徳業者ともなると
- マニフェストを管理していない
- 収集運搬の許可を得ていない
これらの可能性が、大いに考えられるのです。
もしもこの二つの要素が守られていない場合は、違法となります。
何よりも恐ろしいのが、業者側が産業廃棄物の管理を怠って不法投棄などをした場合、責任の所在が皆さまになる可能性があるということです。
こうした被害に遭わないために大切なのは、少しでも不安を覚えたら【契約前】に確認すること。
必要であれば、マニフェストを見せてほしいとお願いしてみても良いでしょう。
その際に曖昧な返答をしてきたりした場合は、注意が必要です。
③工事に必要な届け出・申請をしているか
延床面積が80㎡を超える解体工事を行う場合、着工の7日前までに役所へ申請書類などを提出する必要があります。
これは皆さまでしていただくことも出来るのですが、多くの解体業者が代行で行っているものです。
この申請を怠った場合、工事自体を進めることはできません。
そのほか、重機やトラックなどの工事で使用する車を道路上に停める場合には道路使用許可の申請、アスベストが見つかった場合の除去工事にも別途届け出などが必要です。
必要な申請や届け出が、きちんと業者責任のもとで出されているのかどうかは必ず確認するようにしましょう。
2.よくある手口は、ずばり〇〇!
悪徳業者がよくやる手口で、最も多いのが【金銭トラブル】。
金額を謳い文句を掲げているところでよくあるのが、安価な見積もりを出してきて契約をさせ、後から様々な理由をつけて追加料金を請求してくるパターンです。
そのほかにも
- 産業廃棄物の不法投棄で処分費を削減している
- 手抜き工事をして施主・近隣とトラブルになる
など、金銭がらみのトラブルには、様々なケースがあります。
そもそも解体工事には、坪数や建物の造りによっておおよその適正価格というものがあります。
その適正価格に基づいて解体費や人件費、産業廃棄物の処理費などの必要諸経費を算出していくと、各社そこまで大差ない結果になるはずです。
そのため、突出した激安話や見積もり金額の大幅値引きというのは、まずおかしいと思ってください。
相見積もりをかけてみて、相場を大幅に下回る金額を提示してくる業者がいたら、本来やらなければならない工事を省いているなど何かしらのカラクリがあることを疑いましょう。
可能であれば、なぜ安い金額で工事ができるのか直接確認してみることをおすすめします。
「壊すものにはお金をかけたくない」「できるだけ安く済ませたい」という意見が多いのも事実ですが、とはいえ金額の安さだけで決めてしまうのはトラブルに巻き込まれる可能性を高めてしまうため、危険です。
ぜひ金額だけで決めず、じっくりと業者を選ぶようにしてください。
おわりに
今回は、解体業界における悪徳業者をキーワードに解説しました。
皆さまが解体工事で、不快な思いや損しないために何よりも大切なこと。
それは、冒頭でもお伝えしたように、業者を見極める目を鍛えることなのです。
悪徳業者を見極めるポイントはたくさんあります。
その中でも、今回取り上げた以下の3つの事項は、まともな解体業者であれば必ず守っている内容ですので、不安を覚えたらまず最初に確認をしてみることをおすすめします。
- 登録や許可の確認
- 産業廃棄物の処理に不正がないかの確認
- 届け出や申請がされているかの確認
いかがでしたでしょうか。
今回は「確認」という言葉が何度も出てきたので、いかに「納得いくまで確認をする」ことが、悪徳業者とのトラブルを未然に防ぐために重要なのかお分かりいただけたのではないかと思います。
少しでも安心して解体工事に臨みたいという方は、ぜひ今回ご紹介した見極めポイントを参考にしてみてくださいね。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。