世界の中では地震大国と呼ばれる日本。また大雨による土砂崩れや河川の氾濫など、自然災害によって住宅が被害に遭ってしまうことは誰にでもあります。
自然災害に住宅が遭ってしまった場合、ほとんどのケースで解体工事を進めることになりますが、解体工事の費用に関して「公費負担」を受けることができる可能性をご存じない方もいらっしゃいます。
今回の内容が生涯役立たないことが一番なのですが、万が一自然災害に遭ってしまったとき、どのように行動し対処すれば少しでもご自身の負担を減らすことができるのか、お話していきたいと思います。
目次
1: 自然災害後の住宅放置は大変危険です
地震や台風、最近では降り続く豪雨などによって起こる自然災害。自然災害に遭ってしまうと、住宅が損壊してしまいます。
損壊してしまった住宅をそのまま長期間放置しておく方もいらっしゃいますが、放置すればするほど老朽化が進行し、ますます崩れてしまう箇所が増えていきます。
結果として長期間の放置は、倒壊を引き起こすことになり、偶然に人が近くを通行しているときに倒壊すると負傷者や最悪は死者を出してしまう。悲劇的な事故の元になる可能性も大いにあります。
また、倒壊だけではなく、損壊したままの住宅は簡単に出入りできてしまいますので、
- 不審者のたまり場
- 不法侵入者
- 盗難
- 放火
こういった治安悪化につながる状態を引き起こしてしまい、近隣住民を不安にしてしまうことも十分に考えられます。
さらに、衛生面での懸念も出てきます。虫が発生しやすくなることもありますし、知らない間に不法投棄の場所にされてしまうこともあります。ゴミが散乱するということもありますので、地域社会にとっては「困った場所」と思われてしまうこともあります。
2: 住宅の解体工事や修繕工事は二次被害を防ぎます
日本は欧米とは違い、密集した環境の中で住宅が建ち並んでいます。そのため自然災害に遭ってしまい、住宅が損壊すると隣の家にも被害を与えることになりやすいのです。
さらに放置したままになると、次の台風による大雨や暴風の力によって、隣の住宅へ倒壊してしまうことも考えられますし、強風によって瓦などが飛んでしまい、少し離れた住宅へ直撃してしまうこともあります。
さらなる事故や事件、景観の悪化などを防ぐ意味からも、自然災害に遭ってしまった住宅は、解体工事をするか修繕工事をすることが必要になってきます。
3: 自然災害に遭ったときの対処方法とは
自然災害に遭ったとき、知らないと損をすることがあります。まずは「罹災証明書」「被災証明書」からお話します。
(1)罹災証明書
罹災証明書(りさいしょうめいしょ)という言葉。はじめてお聞きになった方も多いのではないでしょうか。
罹災証明書とは「住宅が被害に遭った事を証明するもの」です。これは戸建て住宅だけではなく、アパートや借家にお住まいの方も対象です。
罹災証明書が受け取れるかどうかの基準は自治体によって決まっています。そのため、どの地域でも同じ条件で判断されるわけではないことを理解しておきましょう。
「○○市は認められたのに」という話がインターネットの掲示板などで出てくることもありますが、条件は自治体によって違っているためこういった結果になるのです。
罹災証明書の認定には時間がかかります。詳しい流れは後でお話しますが、申請をして2~3日で認定されるものではありません。
即日、何らかの罹災証明が必要になる場合は「罹災届出証明書」をもらいましょう。こちらの証明書は、罹災証明書の申請をすれば即日発行されます。
(2)被災証明書
被災証明書(ひさいしょうめいしょ)とは、被害を受けたかどうかを証明するものです。家屋だけではなく家財や車、店舗や工場なども対象です。
被災証明書は即日発行してもらえます。判断基準は罹災証明書と同じように自治体によって異なっています。
実際に災害に遭う前に、自治体のホームページや窓口で罹災証明書と被災証明書について確認しておくと、いざというときに余裕ができます。
どちらも発行手数料は無料です。
(3)罹災証明書の申請
罹災証明書の申請から認定までの流れを、大まかですが見ておきます。ほとんどの自治体では、このような流れになっているはずです。
- 罹災証明書の発行申請を行う
罹災した本人の身分証明書が必要になります。本人が自治体窓口へ行けない。または身分証明書が無い場合、罹災者と関係のある人(同一世帯の人、法人社員の人、委任された人など)、罹災者の三親等以内の親族、法定代理人が申請することもできます。
ここで問題になるのが申請するときに、被害がわかる写真を持って行かないといけないことです。
そのため、例えば自然災害で住宅が被害に遭ってしまった場合は、スマートフォンでもデジタルカメラでも、何でもかまいません。近所のコンビニで売っている「写るんです」でもかまいませんので、何かの機器を使って被害状況がわかる写真を撮影しておくことです。
- 調査員による被害程度の調査
自治体から認定された建築士が調査員として現場を見ていきます。
調査方法は地震、水害、風害など、災害の種類によって変わってきます。
(4)被災証明書の申請
被災した事実だけを証明するものですので、自治体の窓口へ申請すれば、ほとんどの場合は即日発行されます。
被災したと認められる基準は、自治体によって異なります。
自然災害に遭った場合は、まず被害状況を写真に残す。
自治体窓口で「被災証明書」を申請する。
同時に「罹災証明書」の申請を行い「罹災届出証明書」をもらう。
調査員の被害調査を待つ。
このような流れになることを覚えておきましょう。これだけでも、次に何をすればいいのかわかりますので、あたふたすることがなくなります。
4: 受けることのできる支援制度
罹災証明書や被災証明書を取得することで、次のような支援制度が利用しやすくなります。
(1)公費解体
罹災証明書を取得することで、解体工事費用の一部、または全部の費用を負担してもらえます。
公費を使った解体工事の判断は、調査員による結果によって変わります。明らかに自然災害による被害と認められない限り、公費負担を受けることはできません。
ここでも、被害状況がわかる「写真での記録」が意味をもってきます。
(2)災害援助資金
罹災証明書や被災証明書を提示できると、市町村区から最長10年ベースでの資金貸付が可能になります。
(3)公的支援のポイント
災害を認定された場合、次のような支援が受けられる可能性があります。
- 税金や国民保険料の減免
- 被災者生活再建支援金・義援金の支給
- 住宅応急修理制度の利用
- 仮設住宅や公営住宅への優先入居
- 低い年利での融資
ここで知っていただきたいのは、罹災証明書や被災証明書を持っていないと、支援金や義援金の支給、優先的な仮設住宅などへの入居が難しくなることです。
災害に遭った後、「誰かが何とかしてくれるだろう」と待っていても何も起こりません。自分から自治体へ申請し、必要な証明を受けた人が少しでも早く再建への一歩を踏み出せるのです。
ここだけでも構いません。とにかく罹災証明書と被災証明書を手にしないと始まらない。と覚えておいてください。
5: まとめ
罹災証明書や被災証明書について知らない人の方が多いと思います。生涯、知らないまま暮らせるのが一番ですが、万が一のことは誰にでも起こり得ます。
もし自然災害に遭ってしまった場合、今回の内容の一部でもかまいません。思い出していただき、できるだけスムーズに再建できるよう進めていただければ幸いです。
最後にもう一度お伝えします。
- 被害状況をできるだけ早く詳しく写真で記録
- できるだけ早く自治体で罹災証明書と被災証明書を申請
これだけでいいので行動を起こしてください。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
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