2段擁壁の危険性!作り直さないと建築が認められません

異なった素材を組み合わせて、積み上げている擁壁のことを「2段擁壁」と呼んでいます。

写真のように、大谷石の上に、ブロックを積み重ねてある擁壁は、「2段擁壁」になります。
これは、既存擁壁の上に盛土する目的で造った、増積み擁壁のようですね。

増積み擁壁は、事故事例が多く危険な擁壁事例として、公的機関からも報告されています。

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では、なぜ危険かと言いますと、下の段の擁壁を作る際に、その上に2段目の擁壁分の土圧がかかることを想定していない事、そして、上と下の擁壁が一体化していないことがあげられます。

 

 

2段擁壁のある土地の購入は避けましょう!

どんなに頑丈に造られた擁壁であっても、永久に維持できるわけではありませんし、数十年と経つうちに経年劣化は進みます。

古い擁壁がある物件を検討するときには、その劣化状態を注意して確認する必要があります。

新規に土地を購入した場合でも、このような2段擁壁のある土地には、地盤の補強無しに、建物の建築は認められていないのです。

仮に認められたとしても、2段擁壁に対して土圧の負担を掛けないように建築することが義務付けられています。

比較的新しい擁壁でも、亀裂やひび割れが生じている場合もありますし、新しければ安心というわけではないのです。

擁壁の高さや面積にもよりますが、新しい擁壁を再構築するための費用が、数百万円から数千万円になる場合だってあるのです。

土地の価格が安いからと、飛びついてしまいますと、あとから大きな出費が掛かるので注意してください。

 

塀と擁壁の違い

そもそも、塀と擁壁の違いってご存じでしょうか?

地面から立ち上がっているものが「塀」と呼ばれ、片側が高くなっていて土砂を抑えるために作ってあるものが「擁壁」となります。

ブロック擁壁として、認められるのは高さ40センチ、ブロック2段の土留めが限界の高さです。
やはり、しっかりとした擁壁をつくるとなると、鉄筋コンクリート(RC)や型枠ブロック、間知石積みということになるでしょう。

塀と擁壁の違い

横浜市建築局建築指導部がけQ&Aより

「横浜市建築局建築指導部」がけQ&A

 

解体見積依頼時の注意点

高さが120センチ(6段積み)を超えてしまっているブロック塀や2段擁壁などがある場合、それらを取り除かないと、新しい住まいの建築確認許可がもらえないことがあります。

ですので、高く積み上げてあるブロック塀や2段擁壁がある場合には、解体工事の見積依頼時に、取り壊す見積をするように解体業者に伝えましょう。

ただし、あまりにも高さがある擁壁や2段擁壁の場合では、残土の処理や大がかりな土留めを設置する必要があります。
このような場合は、建物は解体業者、擁壁の解体は擁壁をつくる土木業者に分離して依頼した方が良い場合もあります。

工事を熟知している解体業者であれば、上記のようなことは分かっていますので、解体業者側からアドバイスしてくれることでしょう。

 

まとめ

新規に土地を購入する場合、古い擁壁や強度に問題のある危険な2段擁壁がある土地は避けた方が無難です。
そのままの状態では建築の申請が通らないからです。

新しく住宅建築を考えているのなら、適合している構造の擁壁であっても、今後50年程度は崩壊の危険性がない擁壁なのかを確かめてから購入してください。

既存家屋の建て替えの場合では、今まで使ってきた塀や擁壁が許可にならず、解体をしなくてはならないケースも多くあります。
作り替えるには相当の金額が掛かることを頭に入れておいてください。

擁壁だけでなく、塀の高さにも規制がありますので、解体の必要が分かっていれば、その部分も含めて解体業者に見積依頼すると良いでしょう。

解体工事を分離発注した場合は、住まいを建築する業者さんに相談して解体する範囲を教えてもらうと良いでしょう。

せっかく分離発注をして解体工事費を削減したはずなのに、取り残しがあって、あとから追加費用が発生したり、取り残しがあって建築確認が下りないようでは、何のために分離発注したか分からなくなってしまいます。

そのようなことを避けるためには、解体業者の選定は慎重におこなう必要があります。

やはり、多くの実績があり、建築や土木に詳しい、解体業者を選ばれることをお薦めいたします。

 

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石井
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