解体工事は、ほとんどの方にとって、はじめての経験となることが多い工事ですね。
もしかすると一度解体を行うと、生涯のうちで再び経験する機会もあまりないかもしれません。

そんな位置づけにある解体工事ですが、検討されるきっかけには、お家の建て替えや相続した空き家の整理のタイミングなどがあります。
ですが、いざ具体的に解体工事について調べ始めると、
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知識や経験がなく、どんな業者に依頼すればいいのか分からない
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相見積もりを取ったものの、金額差が大きくて判断できない
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できるだけ費用は抑えたいが、トラブルは避けたい
このような不安や疑問に直面してしまい「やっぱりもう少し後でもいいか…」と感じてしまう方は、たくさんいらっしゃいます。
近年は解体業界自体が大きな変化の渦中にあり、安易な業者選びが思わぬトラブルにつながるケースもゼロではありませんので、そうした背景が、皆さまをより慎重に、そして億劫にさせているのかもしれませんね。
そこで今回は、解体初心者さんでも業者えらびに迷わないように、解体業者の本当の”差”というものが、どういった部分に現れてくるのかについて、近年の解体業界の動向や相見積もりの際のチェックポイントなどを解説しながらお話していきたいと思います。
目次
1. 解体業界で今、何が起きているのか
具体的なお話に入る前に、解体業界全体の現状について少しだけ触れておきたいと思います。
まず工事の全体量についてですが、空き家問題の解消や老朽化した住宅の建て替え需要なども相まって、大きく減っている印象はありません。
ここだけを聞くと、「解体業界は忙しそう」「景気が良さそう」と思われるかもしれませんね。
しかし実際には、決して楽観できる状況とは言えません。
需要の数とは裏腹に、倒産や経営難に追い込まれる業者は年々増えており、昨年にはその件数が過去最多を記録するなど非常に厳しい状況が続いているからです。

その大きな要因として挙げられるのが、過度な価格競争や業者数の急激な増加などです。
競合が増え続けているなかで、「安くしなければ仕事が取れない」という状況が常態化してしまい、その結果十分な利益を確保できない業者が出てきてしまっているというわけです。
さらに、近年は人手不足も深刻です。
解体工事の現場作業は、建物内部で行う一部の作業を除いたら、基本的には天候を問わず屋外で行われるものです。

重機や身体を使って行われるということもあり、体力的に厳しい仕事であるだけでなく、施工力や判断力などの経験がものを言う世界でもあります。
働き方に対する考えが時代に合わせて変容してきている中で、決して楽とは言えないような解体業界で安定して人材を確保しつづけることは今や容易とは言えなくなっています。
経験豊富な職人の高齢化が進む一方で、次世代の担い手は慢性的に不足し、業界内の雇用状況はどんどんと冷え込んでいるのです。
人手が不足すれば、限られた人数で現場を回さざるを得ません。
その結果、
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工期の延長
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作業工程の簡略化
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安全管理の不足
といったことが起き始めます。
そうするとどうなるのかというと、本来あるべき「良い現場づくり」というものが難しくなってしまいますよね。
こうした激化する価格競争や人材不足などの厳しい状況下で生き残るために、業者によってさまざまな施策が取られています。
ですので、そのなかで適正価格を維持して品質を守ろうとする業者もいれば、価格を下げるために工程や人員を削らざるを得ないと考える業者が出てくるのも、残念ながらあまり不思議なことではなくなってきているのです。
ですが、業者ごとのやり方の違いというのは、工事の安全性や仕上がり、トラブルの有無として後から表面化することが多く、施主さまの満足度に直結する部分でもありますので、なかなか「仕方ない」の一言で済ますことはできませんよね。
解体工事で後悔したくない!という方ほど、こうした業界の背景を知ったうえで、より本質的な部分を見て業者を判断することが大切だと言えるでしょう。
2. 相見積もりで金額差が出る理由と確認すべきポイント
業者を比べるにあたって、多くの方が手始めにされるのが、見積もりを複数とることだと思います。
俗に言う【相見積もり】という方法ですね。

相見積もりをされた方の中には「同じ建物を解体するのに、なぜこんなに業者によって金額が違うのか?」という疑問を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に最近は価格競争が熾烈に繰り広げられていることもあり、世間が物価高であるにもかかわらず非常に安価な価格提示をするような業者がでてきたため、以前よりも金額の開きが顕著に表れるケースが増えたような気もします。
私たちでも思わず驚いてしまうことがあるくらいですので、このご時世で他の業者よりも群を抜いて安いところがあったとしたら、きっと皆さまも不思議に思われるはずです。
そこで今日はその理由について少し考えてみたいと思います。
答えは色々と考えられますが、ここではわかりやすく産業廃棄物の処理の部分にフォーカスをあてて考えてみましょう。
ご存知の通り解体工事を進めていくとコンクリートがらや木くず、金属類、プラスチックなど、さまざまな産業廃棄物と言われる解体ゴミが発生します。

これらは法律に基づいてその処理方法が定められており、現場で正しく分別して、種別に合わせた適切な処理場へと運びましょうというルールになっています。
ですが、近年はこの廃棄物の処分という解体工事における基本の「き」の部分で大きな課題が生じていることをご存知でしょうか。
まず処分前に行われる分別に関して言えば、分別基準がより厳しくなり、以前にもまして丁寧で正確な分別をするための時間と人手の確保が欠かせなくなりました。
また、最近では処分費の度重なる値上げや処分先の受け入れ状況のひっ迫具合も非常に深刻です。
時には受け入れ可能な処分先を求めて遠方まで運搬せざるを得ないこともあり、運搬費や人件費などに影響が及ぶことがあります。
とはいえ、こうした課題はどこの解体現場においても同じはず。
では、ほぼ同じ条件下であるにもかかわらず、極端に安い金額で請けられる業者がいるのは何故なのでしょうか。
そもそもの話、処分費を大幅に抑えるためには
不適正処理をしていたり、不法投棄を行うなど、何かしらの【問題のある】方法を取るほかありません。
ですが、それでは法律に触れてしまっている可能性も十分考えられますよね。
法律違反ともなると、特に産業廃棄物の不適正処理に関しては施主さまにも責任が及ぶこともあるため「業者に任せていた」「知らなかった」では済まされない場合もございます。
このように、万が一見積もり金額にあまりにも大きく開きがあった場合、どの部分でどのようにコストの削減をはかるかという業者の考えが影響している可能性がひとつ考えられます。
今回は廃棄物の処理の部分だけをピックアップしましたが、もちろん解体工事では、建物の取り壊し以外にもこうしたさまざまな費用が発生していきます。
そのため、解体工事の見積もりを正しく比較をするうえで総じて言えるのは、パッと目に入る合計金額で判断するのではなくて、何にいくらかかっているのか、どこが他よりも安いかという全体像をつかむことがとても大事であるということです。
特に「一式」などと内訳がまとめられているような見積もりほど、不透明な費用が計上されていないか、説明のない未計上の部分はないのか、他社と比べて異様に費用が安い項目はないかなど、細かい所まで目を通したうえで検討されることをおすすめします。
3. 安さの先に待ち受けているのは、満足よりも後悔?
先ほど見積もりの合計金額だけで判断しないでくださいとお伝えしましたが、実は解体工事で後悔されている方の多くが「安さ」を優先して業者えらびをされています。
業者選びで一番危険なのは【見積もりだけしか見ていないこと】と言っても過言ではないくらい、解体工事は費用だけで決めると後悔に繋がりやすい工事と言っても過言ではないのです。
そもそもの前提として、解体工事というのはあったものを壊す工事なので、無くすものにはなるべく費用をかけたくないというのが人の心理ですし、実際、「壊してしまえば、質の違いなんてどうせ分からないし…」とお考えの方が大半であることは事実です。
もちろんそれぞれご予算があることですし、安ければ安いほどそれに越したことはないですよね。
ですが、それはあくまでも【安全性】と【品質】そして【法律の遵守】の基本の三原則がしっかり担保されていることが前提だということを絶対に忘れてはいけません。
どれか一つ欠けているだけでも良い工事は絶対に成り立ちませんし、解体は駄目だったらやり直せばいいというわけにいかないものだからです。
それにもかかわらず、安価な工事になればなるほど、これらが守られていないもしくは省略されているケースが非常に多いのです。
そして、そのしわ寄せは必ずと言って良いほど現場のクオリティとして現れていきます。
トラブルや事故に繋がる確率も高くなりますので、結果として皆さまが後悔してしまうことにもなりかねません。
そう言われると、きっとほとんどの方が「それだけは絶対に回避したい!」とお思いになることでしょう。

ですので、もし「なるべく安く済ませたい!」という軸をもって解体業者をお探しであれば、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
トラブルという観点で見ると、解体工事でよくあるものとしては
- 不当/高額な追加費用を請求される
- 騒音や振動などで近隣住民とトラブルになる
- 安全対策の不足による事故の発生
- 打ち合わせ・連携不足などによる施工不良
などが挙げられます。
たとえば1つ目の「追加費用が発生するなんて聞いていなかった」というケースでは、契約前の説明不足や、見積書の内容が大まかすぎることが原因になっていることが大半です。
また、次の近隣トラブルに関しても、事前のご挨拶や工事内容の説明、養生や作業時間への配慮などの基本的な対応を怠ったことで大きな問題に発展してしまうことが少なくありません。
解体工事はどうしても音や振動、粉じんが発生する工事ですので、だからこそ業者側の配慮や経験値が非常に重要になります。
ですが、価格を抑えるために配置人員を最小限にしていたり、工程に余裕のないスケジュールを組んでいたりすると、どうしてもこうした部分にまで十分な気配りが行き届かなくなってしまうのです。
そしてその積み重ねが結果として、現場の管理不足や安全対策・近隣対策の怠りなどに繋がり、【安かろう悪かろう】と言われてしまうようなレベルの低い工事になってしまうというわけです。
周囲への配慮、法令の遵守、現場の安全管理、そして何よりも大切な施主さまとの信頼関係。
これらをすべてバランスよく成り立たせるためには、どうしてもその状況に応じた必要経費というものがかかります。
当然ですが、その必要経費まで削ってしまった状態で工事を安く請けてしまっているようでは、「良い解体工事」を形作ることはできません。
解体工事は状況に合わせた適正価格の範囲の中で行われてこそ、はじめて質が維持されるのだということをぜひ頭の片隅に入れておいていただきたいと思います。
4. 本当の”差”は金額ではない部分に現れる
さて、ここまで費用のことなど色々なお話をしてまいりましたが、私たちは解体工事における本質的な差は【完成後には見えなくなる部分】に出てくると考えています。
工事が終わってしまえば建物はもうありませんので、綺麗に更地になっているかどうかでしか評価されないのかもしれません。
ですが、その綺麗な更地を作り上げるまでの間には
- 適切でぬかりなく事前に打ち合わせができていたか
- 近隣への配慮は最大限になされていたか
- 正しい作業計画で解体ができていたか
- 丁寧に分別を行ったか
- 安全管理は十分だったのか
- 法律を守った廃棄物処理がなされているのか
といった、目には見えない細かな【過程】があります。
私たちは、そんな一見すると分かりづらいと思われる過程こそが大事だと考えています。
一つ一つの工程がきちんと行われていれば、おのずとその後の工事の質も上がり、最後にお客さまにも良い形で伝わると信じているからです。
解体工事の本質的な差は、費用ではなく解体業者の姿勢にあります。
どんなクオリティの工事でもいいからとにかく壊してもらうのか、想定よりも多少費用がかさんだとしても適正価格で丁寧に工事をしてもらうことを選ぶのか。
最後の判断は皆さまご自身がされることかと思いますが、後悔しない解体工事への第一歩は、その工事がどのような考え方をもとにどのような姿勢で行われるのかという、見えづらい【ソフト面】にもしっかりと目を向けてみることです。
それは紙面上の数字を眺めているだけでは絶対に推し量ることはできませんので、多少お手間であってもぜひホームページや施工写真を見たり、担当者と直接お打合せをしたりするなかで、ご自身なりに様々な角度から判断するようにしてみてください。
それだけでも、それぞれの業者の”色”が見えてきますので、それが最後の決め手となる大きな要素になってくれると思います。
おわりに
目に見えない部分が多く、はじめての方にとっては不安を感じやすいのが解体工事。
今や業者も多種多様になってきており、どこが良くてどこが良くないのか、その判断をするのはあまり簡単ではなくなってきました。
そのことが業者さがしを億劫にさせてしまう要因なのかもしれませんが、私たちもそれが理由で解体をしたいのに話を進めにくいと思わせてしまうのは本望ではありません。
この記事を最後まで読んでくださった皆さまには、ぜひ数字などの表面だけをさらって比較するのではなく、更に内側にある姿勢や考え方などへも目を向けていただき、いちばん誠実な工事をしてくれるだろうと思える業者を選んでいただきたいなと思います。
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とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
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