解体工事の安全対策って?安全に工事を行なうために大切なこと

みなさんは解体工事の安全性について考えてみたことはありますか。

近隣で解体工事が始まったという方や、これからご自身で解体工事を検討している方の中には、もしかしたら気になっている方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどの方は日常生活に影響がでない限り、あまり意識することはないですよね。

ですがこれを機に、解体工事にはさまざまな危険がひそんでいるということ、一歩間違えれば重大な結果を招きやすいなどの理由から、長年にわたり問題視されてきているということは、ぜひ頭の片隅に入れておいていただきたい事柄です。

というのも、日本国内における労働災害の割合は、世界的な基準から見れば、比較的少なく抑えられているものの、毎年たくさんの方が現場作業中に、事故に遭ってしまっているのが現状。

 

近年のデータを見ても、令和2年中に起きた建設関係の事故による死傷者数は、実に約1万5千人近くにのぼっており、決して他人事では済まされない数字であることがお分かりいただけるかと思います。(参照:一般社団法人 全国建設業労災互助会「労働災害の現状」https://rousaigojyokai.or.jp/?page_id=165

このような事故の発生原因を紐解いていくと、安全に対する意識の薄さや、対策を怠っているケースが非常に多いことから、現場に入る作業員一人ひとりのヒューマンエラー対策の徹底が必要不可欠といえるでしょう。

そこで今回は「安全対策」をキーワードに、解体工事ではどのようなことに気をつければ事故を未然に防げるのかについて、深掘りして解説していきます。

 

「ヒューマンエラーの12分類」を意識する

現場では日々さまざまな危険と隣り合わせ。

それらの回避には、正しい安全対策と意識づけが大変重要になってきます。

 

まず大前提として大切なこと、それはヒューマンエラーと称される、いわゆる「人的ミス」が何故起こるのかを、現場の人間が理解し、常に意識することです。

そして、このヒューマンエラーの原因は、大きく分けて以下の12種類に分類されると言われています。

1.無知、未経験、不慣れ 7.場面行動本能
2.危険軽視、慣れ 8.パニック
3.不注意 9.錯覚
4.連絡不足 10.中高年の機能低下
5.集団欠陥 11.疲労等
6.近道・省略行動本能 12.単調作業等による意識低下

いかがでしょうか。
どの要素も、事故の引き金となりうる非常に危険なものですよね。

意識や行動の甘えが、作業の進行を著しく遅らせることに繋がるということ、そしてなによりも危険を招くということを、作業員一人ひとりが常に意識することは、現場の安全を保つうえで、たいへん重要になってきます。

 

現場の下調べは丁寧に行なう

建物を解体する際に、一番起こりやすく、そして一番大きなダメージを与えかねないのが、外壁や屋根などが破損や落下、飛散することによって、近隣の住宅に傷をつけてしまったり、近くを通りがかった通行人などに怪我をさせてしまうというケースです。

たとえば、築年数がかなり経っている家の解体時には、経年劣化により、外壁や屋根の落下が特に起こりやすくなっているため、どのくらい劣化してしまっているのかをきちんと把握しておく必要があります。

またこのような住宅においては、アスベストなどの有害物質が使われている可能性も考えられます。

これらの問題に対処するためにも、作業前にはしっかりとした下調べを行い、建物の構造や建築材料について、外部にとどまらず、内部までくまなく確認しておくことが重要です。

こうすることにより、

  • どのような手順で解体を進めていくかの解体法
  • 有害物質が発生した場合の対処法
  • 危険を回避するための対策

これらを慎重に検討することができるため、実際の工事になった時に、焦ることなく正しく判断することができ、より慎重かつ丁寧で安全な作業を行なうことができます。

 

工事の動きや現場の状況をコントロール・把握する

解体工事の作業時に大切なことの一つが、全体の動きや現場の状況を把握するということ。
何故これが重要かというと、現場で起こりうる以下の2つのトラブルを防止するためです。

1)重機トラブルの回避

比較的大きめの現場で多いのが、重機によるトラブルです。

一つの現場に複数の重機が入ると、重機同士の動きのタイミングが合わずに、衝突事故を起こしてしまうことがあります。解体の現場は比較的狭いことが多いので、ちょっとした動きのミスでも、衝突を招くきっかけになってしまうのです。

また、実際に衝突が起きてしまった場合、足場の状態が悪ければ、重機の横転などの可能性が出てきたり、重量物をホールドしているときであれば、破砕物が落下して作業員が大きな怪我を負う危険なども考えられます。

こうしたトラブルを起こさないためには、それぞれの重機が作業をするポイントをしっかりと決めておくことや、重機同士の動きをコントロールするための監視役をたてるなど、事前の取り決めが重要になります。

加えて、毎朝作業を始める前に、安全管理についてのミーティングを細かく行い、その日の重機の動きをチェックしておくことが大切になってきます。

重機は解体工事をスピーディーに行うために欠かせないものですが、一歩間違えると重大事故を起こすものにもなりかねないので、重機を使う際は、手作業以上に慎重に、計画立てて作業を進める必要性があります。

 

2)ガスや電気の事故の防止

ガスや電気は、いざ解体工事を行うとなれば、あらかじめ止めてから作業に入るため、住宅の解体工事においては、これらのトラブルはほとんど発生しませんが、万が一発生してしまった場合、周囲に大きな被害をもたらしてしまう非常に危険なもの。

考えられる事故としては、作業時に住宅に接続されているガス管や電気の線を誤った破断による漏電やガス漏れ、そのことによる爆発や、感電などが挙げられます。

こうした事故のほとんどは、チェックミスによって起こるため、ここでもやはり現場の状況を事前に把握することが非常に重要になってきます。

作業に入る前に、どこにガス管が通っているか、電線の位置はどこにあるかなど事故の危険につながる箇所を図面などでしっかりと確認してマーキングしておくことや、作業に入るメンバーでミーティングをし、繰り返し確認しておくことが大切です。

特に重機を使う際は、目線より上にある電線に重機のアーム部分をひっかけてしまうミスが起こりやすかったりと、めったに起こらない事故とはいえ、ひとたび気を緩めれば重大な危険を伴う可能性があるという意識を、常に持っている必要があります。

 

まとめ

 

解体工事の現場は、人の手がないと成り立ちません。

一方で、今回ご紹介したような作業中に起こりうる事故というのは、作業員のミスや気の緩み、事前調査の甘さなどのヒューマンエラーからくるものがほとんどです。

作業員の怪我だけでなく、近隣の住宅や現場付近の通行人といった周囲に及ぼす被害は、非常に重大であるにも関わらず、解体現場においては多い事例でもあるため、特に気を付けて作業しなければなりません。

事故を起こさず被害を広げないためにも、現場のどの場所が構造的に弱いのか、劣化している箇所はどこかなどを、事前に丁寧に調べて作業員の間で共有・連携しておくことが、危険を回避し安全な工事を行なうためには必要不可欠といえるでしょう。

 

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