解体業者を困らせる2重屋根!!【屋根リフォーム】

2重屋根工法には注意

最近、コロニアル屋根に金属板をかぶせた、屋根が2重張りになったカバー工法を施した建物の解体が多くなりました。
戸建て住宅で最も使用されているコロニアル素材の屋根葺材。

耐用年数は30年ほどで、色あせによる劣化を防ぐために10年に1度は塗装工事が必要になり、30年を過ぎると塗膜がのらなくなることで張り替えの必要性が出てきます。

平均的な住宅の建替え周期は30年~35年といわれ、今後、カバー工法で屋根リフォームされた建物の解体が増えることで予想されますが、そのカバー工法には大きな落とし穴あるんです。

 

解体工事を行うコロニアル屋根

 

 

屋根の葺き替え工事

通称、彩色石綿セメント板と言われている『コロニアル屋根』には、アスベスト(石綿)が使われています。
アスベスト(石綿)とセメントを練り合わせて板状に作った屋根材ですので当然アスベスト(石綿)が含有しています。

クボタ『カラーベスト』、松下電工『フルベスト』などの商品が代表的なもので、軽量で安っぽくもなく断熱性もある程度ある屋根材として初期費用の安いこともあり、建売住宅などに多く使用されてきました。

以前の屋根リフォームでは、古く傷んでしまった屋根材をすべて剥がし取り、やりかえる工事が主流でしたが、現在では最もスタンダードな屋根のリフォーム方法として認知されているのが、既存のコロニアルの上に軽量金属屋根材(ガルバリウム鋼板)重ね張りするカバー工法 です。

解体工事で困る重ね張り

スレート(コロニアル)の上にガルバリウム鋼板を重ねています

トタン屋根のうえにスレート板を重ねるカバー工法もあります。
石井商事で施工した現場では、『セキスイかわらU』という屋根材をよく見かけています。

このカバー工法で屋根は2重になり、屋根が重くなって頭でっかちの地震に弱い構造になってしまうとデメリットもあるようですが、費用的なメリット大きいので今後もカバー工法が増えていくことが予想できます。

解体工事の屋根材取り外し

スレート板の下から以前のトタン屋根が出てきた

 

屋根カバー工法のメリット

屋根の重量が増えてしまうというデメリットもありますが、カバー工法は葺き替え工事に比べて以下のようなメリットがあります。

  • 今の屋根の上に新しい屋根を二重にしてしまうため、「廃材」がでない
  • 廃材を処分する費用や撤去費用がかからないぶん、安価に済む
  • 工期が短くて済む
  • 遮音性や断熱性を向上させることができる

葺き替えにくらべると2~3割も費用を抑えることができれば、魅力的な工法のリフォームってことになりますよね。

カバー工法 葺き替え
費 用 100~150万円程度 120~300万円

 

 

では、解体工事の時はどうなるの?

解体工事の時はデメリットですよね

屋根が2重になってしまっているので手間も処分も2重にかかります。

屋根リフォームの時に古い屋根材を剥がさなかったのですから当然、解体工事のときには剥がし取らなければなりません。
そして、厄介なことにコロニアル素材の屋根葺材にはアスベスト(石綿)が含有されていますので、飛散しないように剥がし取るのに細心の注意が必要となります。

また、アスベスト(石綿)が含有している産業廃棄物として最終処分しなければならず、高額な処分費用がかかってしまうのです。
結局は、どこかの段階でアスベストが入っている屋根材を処分することになるので費用の先送りに過ぎないってことだと思います。

 

心配な処分費用は?

 

解体工事から発生する廃棄物を最終処分場へ運搬

石綿含有の建材等は2重に袋積め梱包されたまま最終処分場に埋め立てされるのです。

石綿が混ざっている建材は、非飛散性(レベル3)に分類をされています。
非飛散性で飛散しにくいといっても、一般的な産業廃棄物のように破砕したり切断したりすると飛び散ってしまうため、容積を減容する中間処理もできず、さらに2重梱包までして最終処分場に持ち込まなくてはならないため、通常の産業廃棄物の2倍強の処分費がかかってしまうのです。

延べ床面積80㎡(約24坪)の2階建の一般住宅を例にしてみると、撤去・処分を含めおよそ10万円~15万円程度の費用が掛かることでしょう。

 

まとめ

解体費用の算出は、現地の調査をし確認をするのですが、カバー工法が施されていることに気が付かないことがあります。

一般の方からみたら、プロなのに分からないの?と思うでしょうが、とても分かりにくいものなのです。
カバーして隠してしまっているんですから、子供の遊びのように、『かくれんぼ』されてはなかなか見つかりません。

工事に入ってから2重屋根が判明することも多く、一枚めくると下からアスベスト(石綿)が出てきてしまい、高額な追加費用が掛かってしまう大きな落とし穴があります。

そのようなことを防ぐためにも、新築時の設計図や建物登記簿謄本を解体業者にみてもらったり、以前のリフォーム歴などをお話しすることをお勧めします。

はじめに情報があれば2重の重ね張りも判明しやすく、あとで追加料金が発生することが防げますし、工期の延長による工事全体の遅れを防ぐこともできるのです。

 

お気軽にご相談ください

石井
私たち石井商事では、年間250件を超える解体工事を行っております。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!

解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。

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