解体工事をするなら、知っておきたい浄化槽のはなし

 

日々の生活の中からは、様々な理由で汚れた水が発生します。

トイレから流される“し尿”だけでなく、生活排水には炊事、洗濯、お風呂、洗面所などからも排水されます。

統計ですと、一人あたり一日に約200リットルもの汚れた水を排出しているそうで、一般的な4人暮らしのご家庭であれば800リットルにものぼる量になります。

 

浄化槽の役割

 

 

これだけ多くの汚れた水を何も処理せずに、そのまま垂れ流してしまったら、不衛生なだけでなく、自然の環境にも様々な悪影響を及ぼしてしまうのは簡単に想像出来きますよね。

 

 

浄化槽の機能は、これらの汚れた水を微生物の働きによって汚れを分解し、きれいな水に変えてから川などへ放流するための装置なのです。

 

 

 

浄化槽には、浄化槽法という法律があるんですよ

 

汚れた水を処理するために浄化槽の設置が『浄化槽法』という法律で義務付けられています。

 

この法律は、浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制していたり、浄化槽工事業者の登録制度や浄化槽清掃業の許可制度も整備しています。

 

浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めることで、公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿や雑排水の適正な処理を図ることができ、生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与することを目的しています。

 

 

浄化槽の大きさ(サイズ)はどのように決まるのでしょう?

 


家庭用で使用されている浄化槽の大きさは、各メーカー共に、5人槽・7人槽・10人槽の3種類が一般的です。

設置される浄化槽の大きさは、建築基準法の処理対象人員算定基準に基づいて、家の延べ床面積によって決まります。

  1. 130㎡以下の住宅は、5人槽
  2. 130㎡超える住宅は、7人槽
  3. 2世帯住宅は、10人槽

 

上記算定基準から、床延べ面積が130㎡以上ある場合は、仮に2人家族であったとしても7人槽の浄化槽を設置する必要があります。

実際に使用する人数と勘違いしそうですので注意が必要です。

浄化槽がいらない便利な公共下水道(本下水)

 


下水道の整備された地域のことを「下水道の処理区域」といいます。

下水道の種類には、主に市街地に整備されている「公共下水道」と、地方自治体が管理する「流域下水道」と都市部の雨水を排水する終末処分場をもたない「都市下水路」の3種類があります。

 

本下水では、個別に浄化槽を設置する必要がなく、手間も初期費用もかかりませんがその代わりに、月々(通常は水道料金と一緒に2ヶ月ごと)に下水道料金を支払います。

下水道料金は、水道の使用量に応じて算出されます。

 

 

汲み取り式から浄化槽式の水洗トイレへ

 

解体工事を行っていると、土に覆われていて、見えていなかった浄化槽が顔を出します。

それもかなりの高確率で発見されるのです。

このように解体工事の開始当初に見えていなかったものは、当然工事金額の中には含まれてはおらず、追加料金が発生してしまいます。

解体工事のことを調べていると、良くでてくる『地中埋設物』って呼ばれるものですね。
昔は便所、今はトイレ

どちらも同じだとは思いますが、個人的には、便所はくみ取り式、トイレは水洗式ってイメージをもっています。

便所からトイレに進化していく過程をたどると、なぜ浄化槽が埋められているのか?が分かってきます。

便所の頃は、汲み取り式でコンクリート製の便槽と呼ばれるものに汚物を貯めて定期的にバキュームカーで定期的に汲み取りする方法がとられておりました。

都市部では急速に水洗トイレへと移行し、各家庭に浄化槽が設置されるようになりました。

 

 

 

浄化槽式から公共下水道(本下水)へ移行したお宅は注意してください

 

 

ほとんどのご家庭で水洗トイレ化が進むと、次は『公共下水道』の時代へとなっていきます。

そして、浄化槽が必要なくなります。

 

浄化槽の設置してある場所は、写真のように建物と塀の間だったり、裏手にあったりと、あまり目立つメインの場所ではないところが多いかと思います。

 

 

浄化槽の撤去に掛かる費用は?

 

先に書きましたように、浄化槽は建物の面積に比例して容量が決められています。

一般的なご家庭の場合で、FRP製の5人槽~7人槽であれば、4万円~7万円程度の撤去費用が掛かるとおもいます。

 

中古で買われた住宅の場合、どのように浄化槽を埋めたか分からない場合もありますが、最初からお住まいであれば、便所からトイレへの移行の経緯が分かるかと思いますので、解体工事の御見積の時に、浄化槽が埋まっている旨を伝えてた方が良いでしょう。

浄化槽があることが分かっていれば、最初の段階で御見積に含めてもらえますので、後から追加費用が発生することもありません。

また、浄化槽がどこに、どのような埋め方をしたのかが、分かっていると作業員が誤って落ちてしまったり、重機や工事車両が潜ってしまう危険をさけられると思います。

 

まとめ

 

日本のトイレは汲み取り式から始まり、水洗式へと移行していきました。

水洗式に移行した当初は個別に浄化槽を用いて汚水を浄化しておりましたが、近年では公共下水道の整備整っている地域も多くなり、使わなくなった浄化槽が埋められたまま取り除かれることなく、残っていることがあります。

工事前から分かっていれば追加の撤去費用がでませんし、作業員が誤って落ちてしまうことも避けられるのです。

浄化槽が残っていた場合、最終的には埋設物として出てきてしまうため、取り除くのであれば費用は掛かりますが、解体業者さんにお願いして綺麗に取り除いてもらうと良いでしょう。

 

 

 

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石井
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