長い間、気になっていた空き家を、何とかしないといけなくなる。
でも、空き家を解体した後で、土地を売る予定もない。
更地のままにしておくと、税金が高くなるとも聞く。
こんなとき、最初に思いつくのが
「駐車場にしよう!」
ではないでしょうか。
解体工事を行った後、コインパーキングになっているところをよく見かけますし、見ているだけなら「儲かっている」雰囲気もします。
でも、本当に空き家を解体した後の更地を、駐車場にするのはリスクの低い土地活用の方法なのでしょうか。
解体業である私たちも、相談されることが多いので、今回は記事にしてみました。
1: 土地の有効活用の例
空き家を解体した後の更地。
出来れば初期投資を少なくしながら、土地を有効活用したいですよね。
そこで、初期投資の少ない土地活用の例を紹介します。
今回の話の中心です。
更地から駐車場にするのは、他の活用よりも初期投資が少ないことが多いです。
駐車場の運営を行っても、辞めたいときは1~2ヶ月前に通知すれば、元に戻すこともできます(FCなどのコインパーキングの場合は、契約内容によります。)
参入しやすく、元に戻しやすい。
そして、駐車場の利用料金も、ほとんどの場合は自分で設定できます。
事業用としてコンビニやファミレスのFC本部や加盟店に貸すという方法もあります。
この場合、ある程度の期間に渡って、定期収入を見込むことができます。
また、事業用定期借地は、契約終了後は更地にして返還されることが多いのもメリットです。
もし、あなたの土地をすぐに使う理由がなく、大手店舗系FCなどから話があれば、聞いてみるのもいいと思います。
- 土地がそんなに広くない。
- コンビニができるほどでもない。
そんな場合には、自動販売機を設置するという方法もあります。
自動販売機は、設置費用や運営管理のほとんどはメーカー側が負担してくれます。
土地所有者への負担は「電気代」くらいで、他にはほとんどないというのがいいですね。
毎月の売上から、土地所有者が負担する電気代を引いた金額が、月々の収入になりますから、3ヶ月、6ヶ月、1年継続することで、どれくらいの収入になるのか。
一度、検討してみる価値はあります。
そして、駐車場の隅に出来た「車が止められない場所」に、自動販売機を設置するのも、ひとつの方法です。
(4)これ以外なら
- トランクルーム
- 太陽光発電
- 風力発電
こんな活用の方法もあります。
これらの場合は、駐車場よりも単価の変動が大きかったり、導入当初と1年後では利益率が変化したりすることがあるので、リスクを覚悟しておくか、契約内容で「できるだけ損しない」ことを確認するのがいいでしょう。
2: 固定資産税の話を少し
空き家か更地か。
この違いで悩ましいのが「固定資産税」ですね。
毎年1月1日に「土地」「家屋」(固定資産)を所有している人に対して、市町村が課税するものです。
固定資産税の計算方法は、所有している固定資産の評価をし、評価額に対して課税標準額が決まります。(これを算定と呼びます。)
算定された課税標準額に、標準税率の1.4%をかけ算したものが、固定資産税となります。
固定資産税 = 課税標準額 × 標準税率(1.4%)
出典:総務省 固定資産税の概要(http://www.soumu.go.jp/main_content/000427401.pdf)
計算した固定資産税に、空き家と更地とで違いが出てきます。
まず、空き家は「住宅」という認識です。
ですから、空き家が建っている土地は「住宅用地」となります。
住宅用地の場合、固定資産税に関して特例措置があり、税金の負担を軽減することができます。
特例措置とは
- 住宅一戸あたり200平米以下の場合、課税標準は6分の1とする
- 住宅一戸あたり200平米を超える場合、課税標準は3分の1とする
また、集合住宅の場合、ほとんどが課税標準は6分の1となります。
先ほどの固定資産税の計算式を、もう一度見てみましょう。
固定資産税 = 課税標準額 × 標準税率(1.4%)
この「課税標準額」が6分の1、または、3分の1になるのです。
でも、更地だと、そのまま。
この違いは必ず知っておいてください。
そして、空き家を解体して更地にすると、毎年払っていた固定資産税が単純に計算すると「6倍」または「3倍」になるということを覚えておいてください。
後から知ると、意外とビックリします。
3: 駐車場経営のメリット・デメリット
固定資産税、こわいですよね。
そこで、更地は駐車場に。
という方が多いのです。
- 初期投資が他のことよりも少なくてすむ
- 駐車場経営は他の経営よりも始めるのが簡単
- 運営会社に任せるなら、尚、簡単
- 車が集まるところなら低リスクでリターンが大きい
- 固定資産税がアップする
- 運営会社に任せると、初期投資が増える
- 立地によって利用者がいない場合がある
- 個人で経営すると車上荒らしや設備損壊、料金の踏み倒しなどのトラブルに対応しないといけない
メリット、デメリットはありますが、更地を駐車場にと考えるのなら、次のポイントは外さないでください。
4: 駐車場経営で知っておきたいこと
経営というものは、何をやっても、手放し簡単ノーリスク、ということはありません。
どこかにリスクがあるものです。
ですから、そのリスクを最小限にするために、駐車場経営を考えられるなら、次のことを知っておいてくださいね。
- 固定資産税がアップする
- 立地条件を知る
- 初期費用にいくら必要なのかを知る
- 初期費用と毎年の税金は、何年でペイできるのか予想する
- 定期収入のため、月極利用者がいるか知る
- 自分で運営するか、運営会社に任せるか、どちらが自分に向いているか考える
大きく稼げるとうれしいですが、まずは毎年必要になる固定資産税を払えるくらい利益を出すことが目標になるでしょう。
空き家のままだったら、固定資産税は低いですが利益はゼロです。
一度は土地の有効活用を考えてみてください。
毎年必要な税金よりも、1万円でも2万円でも多く稼げたら、臨時のお小遣いを生み出してくれる「キャッシュマシーン」になります。
5: まとめ
土地活用のひとつとして「駐車場」は選びやすい方法です。
営業することもなく、放っておけば勝手に儲かる。
そんなイメージがあるかもしれません。
でも、そのイメージは、あなたの土地の立地に関係がある。
そんなことを、今回はお話させていただきました。
どんなことにも、投資することには「リスク」があります。
「リスク」をゼロに出来ればいいのですが、現実には出来ません。
ですから、更地にした後、駐車場にして土地を有効活用したいなら、必ず「立地」を自分で調査してください。
あなたの土地の近くに用事のある人が車で集まってくるのなら、そこでの成功確率は高くなるでしょう。
でも、車でくる人が少ない。そもそも人が集まらないのなら、固定資産税の分すら回収できないかもしれません。
「駐車場、儲かりそう」という軽い気持ちだけで経営するのは危ないです。
ここは冷静に考えて判断してください。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。