家の建て替えが決まったものの、建築計画が具体的に進んでおらず、いつ解体をするべきか悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
実際、私どもにお問合せをいただくお客さまのなかにも、建て替えを控えている方はたくさんいらっしゃいます。
ですが、お客さまのお話を詳しく伺ってみると「まだ解体後の計画が固まっていなくて…」なんてことも案外珍しくないんです。
そんな【隠れあるある】ともいえるこのケースなのですが、実は解体時期の判断を誤ってしまうと、思わぬ損につながることがあるのをご存じでしょうか。
そこで今回は、建て替えを前提にしつつも計画がまだ固まっていない方に向けて、どのタイミングで解体をするのが良いのかを解説します。
1. 解体を早めに行う場合のメリット
解体時期を検討するうえで多くの方が最初に悩まれるのは、
①早めに解体を済ませるべきか
②建築計画に合わせるべきか
といったところかと思います。
建て替えまで少し時間が空くのだとしたら、余裕をもって先に更地にしておいたほうがいいのではないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際、解体時期を早めた場合には次のようなメリットがあります。
建て替え準備がスムーズになる
住まいの建て替えともなると、既存の建物の解体にはじまり、新たに建てる建物の建築打ち合わせまで、やることがたくさんあってなんだかパンクしてしまいそうですよね。
解体工事というのは見積もりをとって、皆さんが「それでお願いします!」といえば、すぐに始まるものではありません。
工事が始まる前には解体業者と撤去範囲の確認などを含めた打ち合わせが必要になりますし、家具や家財、不用品などを処分して家の中・外を何もない状態まで綺麗にしておかなければならなかったりと、意外とやることは盛りだくさんです。
それに加えて建築の打ち合わせ等も同時進行でやらなければならないとなれば、どうでしょうか。
【解体のやるべきこと】と【建築のやるべきこと】が重なってしまったら、とても大変になってしまいます。
ですが先に解体を済ませておけば、その後に控えている建築準備は余裕をもっておこなうことができるようになります。

建築工事の着手に影響が出ない
解体工事と建築工事の間に時間の猶予があまりない場合、解体中に予期せぬことが起きて工期が延びたりすると、その後に控えている建築工事が予定通りに着手できないなんてこともあるかもしれません。
ですがこれも余裕をもって解体をしていれば、解体工事が終わるのを待つ時間というのが無くなりますので、建築業者はいつでも動くことができるというメリットがあります。
その他にも、建物の老朽化が激しい場合は、早めに解体を済ませることで自然災害などによる倒壊や損壊などのリスクを減らせますし、空き家であれば、空き家の管理の手間から早めに解放されるなどの利点などもあげられます。
2. 解体を早めに行う場合のデメリット
つづいて、先に解体を済ませた場合に考えられるデメリットについて見ていきたいと思います。
固定資産税が増える可能性がある
まず第一に、(状況によっては)固定資産税が上がってしまう懸念が挙げられます。

ご存知の方も多いかと思いますが、固定資産税というのは、【土地に住宅が建っているかどうか】で金額が大きく変わってしまうものです。
住宅が建っている土地であれば「※1 住宅用地の特例」が適用されて土地の税額が最大1/6まで軽減されるのに対して、解体して更地にした場合、時期を誤ると軽減措置の対象から外れてしまいます。
つまり、壊すタイミング次第で、税金の負担がグンと跳ね上がる可能性が出てきてしまうということです。
固定資産税の金額の算定はその年の1月1日時点の建物の有無で行われるため、その時点で建物がないとなると、その年の固定資産税は「※2 更地課税」扱いで計算されることになります。
そのため、早めに解体したい場合には、1月1日をひとつの基準として解体時期に注意を払う必要があります。
家が建っている土地の固定資産税や都市計画税を軽減できる制度のこと。
住むための土地にかかる税負担をできるだけ軽くして生活を守るという目的のもとで設けられています。
🔹軽減される割合
① 固定資産税
・200㎡以下の部分(小規模住宅用地)
→ 課税標準(税金を計算するもとになる金額)が 1/6 に減額
・200㎡を超える部分(一般住宅用地)
→ 課税標準が 1/3 に減額
② 都市計画税(かかる地域のみ)
・小規模住宅用地 → 1/3
・一般住宅用地 → 2/3
🔹対象になる条件
1. 住宅が建っていること(人が住んでいる建物)
2. その住宅の 敷地 であること
※アパート・マンション・一戸建て などの居住用建物が対象となり、店舗や事務所だけの土地は対象外
※住宅と店舗が一緒になっている場合は、住宅部分の割合で特例を受けられます
家などの建物を解体して更地にしたことで、住宅用地の特例が使えなくなり、税額が上がることを指します。
解体後の土地管理が大変になる
二つ目に、更地の土地管理が負担になる可能性があります。
更地にすると管理の必要がなくなって楽になるように思われがちですが、実際のところはあまり楽ではないことも多々あります。
夏場であればちょっと放っておくだけでもあっという間に雑草が伸びますし、管理が行き届いていないような空き地は、不法投棄や無断駐車などのトラブルにつながることも。
解体完了後に建て替えまで期間が空くのであれば、必要に応じて管理・対策をする必要があるということを覚えておきましょう。
補助金制度の申請条件を満たせない可能性がある
最後に、補助金絡みでのデメリットについても触れておきたいと思います。
石井商事のある神奈川県では、自治体によって老朽化した住宅の除却や建て替えに伴う解体費用の一部を補助してくれる制度を設けているところがあります。
ですがこの補助金は、申請時にすでに解体が済んでいたり、建築計画が定まっていない状態では受理されないことがほとんどです。
横浜市の「建築物不燃化推進事業補助金」の申請をご検討中の方などは、解体と申請のタイミングには十分ご注意ください。
3. ベストな解体のタイミングとは
さてここまで、解体時期を早めた場合のメリット・デメリットについて触れてまいりましたが、それらを踏まえたうえでおそらく皆さんが一番知りたいのは、「じゃあ一体いつだったら解体してもいいんだ!」というところかと思います。
結論から申し上げますと、【建築計画がまとまりはじめたら動き出す】のが一番良いタイミングといえます。
もちろん、既存の建物の老朽化が著しい場合などは、安全面を配慮して早めに解体を済ませるという選択肢もひとつありますが、特に急ぐ理由がないのであれば、計画が固まる前に焦って建物を壊す必要はありません。
まだ建築の予定がまとまっていない段階で前倒しで解体をしてしまうと、皆さんにもいろいろと負担がかかりかねません。
リスクを避けつつ建築準備に無理なくつなげるためには、建築計画が具体化してから解体を進めるのが、管理やスケジュールのバランスから見ても、最も理想的といえるでしょう。
解体工事も着手のタイミングはその業者や繁忙具合によって変わってきますので、ご自身のご希望を相談したうえで進めていきましょう。
おわりに
建て替えに向けた解体工事は、次の工事につなげるための大事な下準備です。
とはいえ、計画が固まる前に慌てて解体を進めてしまうと、税金の負担が増えたり、補助金を受けられなくなる可能性が出てきたりと、思わぬデメリットに繋がることもあります。
こうした点を踏まえても、建て替えを前提とした解体工事の場合は、建築計画が動き出してスケジュールの目処が立ったタイミングで話を進めていくのが一番安全で無駄がないと言えるでしょう。
もちろん、老朽化などで安全面に不安がある場合などは早めの解体が必要なケースもありますので、「うちはどうしたらいいのだろう?」と迷われた際は、お気軽にご相談くださいね。













とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。