お客様は、様々な理由で解体工事を検討されます。
次の活用を考えている場合などは解体費用はなるべく安く済ませたい…という方も多いことでしょう。
その一方で、ひと昔前と比べて解体費用が高騰しているということをご存知ですか?
一口に解体費用といっても、その金額を決める要素は様々あります。
そこで今回は、どの要素が解体費用に影響しているのか、またその理由やコストカットのポイントなどを見ていきます。
1. 解体費用が値上がりしている理由
まずは、皆さんが一番気になっているであろう値上がりの原因から先にお伝えしてしまいましょう。
簡単にまとめると、
- 人件費の上昇
- 産業廃棄物の処理価格が高騰している
- アスベストの規制による影響
などが主な費用高騰の理由と言われています。
人件費の上昇
一つ目に挙げられるのが、人件費の上昇です。
私どもの解体業界において特に深刻とされているのが、職人の「人手不足」や「高齢化」の問題。
解体工事は自動化することができない工事形態ですので、マンパワーというのはいつの時代も必要不可欠になります。
つまり、工事をする上で欠くことができない部分が、費用面に影響を及ぼしているというわけです。
建設リサイクル法によって「分別解体」が義務付けられたことで、分別にかかる時間や分別した廃棄物を各処分施設に運搬する時間が増加したことも相まって、作業量の増加や必要数の人材を確保するためのコスト増などの問題が発生しており、それらも人件費高騰の要因だと言われています。
廃棄物の処理価格が高騰している
解体費用の内訳の中でも比較的ウエイトが高いのが、産業廃棄物の処理費用です。
実はこの処理費用の高騰は、多くの解体業者の頭を悩ませている問題の一つでもあります。
最近では、処理業者さんから価格改定のお知らせをいただくことも増えてきており、ひと昔前と比較するとその価格差は明らかです。
このような価格高騰の背景には、自然災害で出た廃材の処分などが追い付いていないことや、国内の産業廃棄物処理施設のキャパシティそのものがひっ迫していること、施設人件費の増加、処理施設数の不足など様々な原因が挙げられます。
コンクリート破片や木くず、混合廃棄物などの産業廃棄物は、建物を壊せば必ず出てくるものですので、必然的に解体費用にも影響が出てしまうというわけです。
アスベストの規制による影響
アスベストが人体に重大な健康被害を及ぼす可能性があるというのは、少し前まで連日のようにメディアなどで報道されていたのでご存知の方も多いことでしょう。
それからというものの、改正大気汚染防止法という法律によってすべてのアスベスト含有建材が規制の対象となったり、アスベストの事前調査・報告の義務化などが新たに加わったりと、対策はどんどん厳しくなってきています。
規制や対策が厳しくなるということは言い換えると、昔よりも適正で厳格な処理や対応が求められるということです。
それに伴って作業工程が増えたり、調査にかかる費用が発生するため、そのことで解体費用にも影響が出てくるというわけですね。
2. 少しでも解体費用を抑えるには
さて、ここまで解体費用が高騰している理由についてお話してきました。
他にもお客様の取り壊す建物の状況によっては様々な要素が絡み合って、費用面に影響を及ぼすことがあります。
それでもどうにかして費用を抑えたい!!という方に向けて、コスト減につながるポイントをいくつかお伝えしたいと思います。
なるべく早く解体を済ませる
なるべく早く済ませるってどういうこと?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
一体なぜ早く済ませるべきなのか。
それはこれまでにお伝えしてきた通り、解体費用が年々値上げ傾向にあるからです。
例えば、半年前であれば100万円でできた工事が、半年後にお見積りをし直すと120万円になるなんてことも珍しくありません。
現状を考えると、解体工事の費用が以前よりも下がるということは考えにくいので、1円でも安く済ませるには早めに動いたほうが吉でしょう。
なお、固定資産税を抑えたいという方は、1月1日以降に工事をするのがおすすめです。
家が建っている状態であれば住宅用地の軽減措置が適用されるのですが、建物がないと適用外となってしまいます。
1月1日時点の土地の状況によって判断がなされるため、軽減措置を受けたいという方は意識しておくと良いでしょう。
中間マージンをカットする
古家付きの土地をご購入されたお客様が古家を解体する際などにありがちなのが、ハウスメーカーさんや工務店さんなどに頼んで解体工事をするというものです。
ご自身で業者選定をしなくて済むという気楽さはあるものの、それでは中間マージンが発生してしまいます。
手間賃と考えれば良いという方にとっては良いのかもしれませんが、解体費用のおおよそ2~3割ほどを採られてしまうケースが大半です。
ということでコストカットを考えた際に、「分離発注」をすることは鉄板のお約束と言っても過言ではありません。
また価格以外にも直接依頼をしない場合のデメリットとして、解体工事の質にも影響を及ぼすことが考えられるので、注意が必要です。
本来であれば100万円かかる解体工事であっても、中間マージン分がとられた解体業者には70~80万円で依頼がいくことになるため、20~30万円分手を抜いた工事をされる可能性が十分あるからです。
できることは自分で済ませる
解体工事の前後に必ずやらなければならないことはいくつかありますが、そのなかでも自分でやることで費用を抑えられることが2つあります。
それが、建物内の片付けと、建物が無くなったことを示すための滅失登記申請です。
建物内の片付けというのは、使わなくなった家具や家電の処分のこと。
自分でやるとなると本当に骨が折れるわけですが、片付けのために処分業者を頼むとなるとそれだけ費用がかかります。
その分の費用を削るためには、計画的に片付けを進めて自治体のゴミ出しの日に出したり、リサイクルショップへ売却するなどをしたほうが金額を安く抑えることができるのでおすすめです。
また、解体工事完了後の建物滅失登記に関しても同様です。
行政書士などの手を借りずにご自身で法務局へ出向くことで、依頼すると4~5万円かかるような高額の費用を負担することなく手続きを終えることができます。
煩雑そうに感じますが、登記に必要な書類は解体業者に依頼すれば準備をしてくれるはずですので、書類さえそろっていればさほど難しいことではありませんので、まずは依頼する解体業者に相談してみてくださいね。
他にも費用削減のコツはいくつかあります。
以前にもご紹介していますので、もっと知りたい!という方はあわせてお読みくださいね。
3. 解体業者によっても金額が異なる?
業者選定をするうえでいくつかの業者を見比べたい、という方は一定数いらっしゃいます。
費用や業者・担当者の雰囲気などから少しでもご自身の希望とマッチしたところを見つけたいものですよね。
解体工事は決して金額が安いお買い物ではないので、とても大事なことだと思います。
業者選定中のお客様からいただくご質問としておおいのが、
「A社は〇〇万円、B社は△△万円なんだけど…」といった費用差についてのご相談です。
結論、多少の誤差であればよくあることです。
解体工事には、家の構造や規模などの主要素によって費用相場があるので、そこを大きく外していなければ大きな問題ではありません。
ですが、例えばA社とB社で大きく金額差がある場合は、注意したほうが良いでしょう。
「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、安価すぎるお見積り金額の場合は工事の質の低下や、追加費用の請求をされる恐れがありますし、高すぎる場合も適正価格から金額を上乗せされている疑いがあります。
お客様に専門的な知識がないことを良いことに、うまく利用されてしまうこともありますので、その点は気を付けていただきたいところです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
年々値上げ傾向にある解体工事ですが、〇〇に何故これだけの費用がかかっているのかといった細かな部分は、どうしてもお客様には分かりづらいと思います。
もちろん業者によって金額はマチマチですが、予想より高く金額がついてしまった場合でも、ご自身で取り組めるコストカット術もございますので、工夫をしながら業者選定をされることをおすすめいたします。
石井商事では、明朗会計に努めています。
追加工事が発生しない限り、お見積り書に記載している金額以外の追加費用はいただきませんので、ご安心くださいね。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。