石綿(アスベスト)検診って、ご存知でしょうか?
簡単に言うと、石綿等の取扱いをおこなう事業者は半年に一度、年2回の健康診断を行わなければいけませんと言うルール(法律)です。
この法律により解体業者は、作業者に石綿(アスベスト)検診を受けさせなければいけません。
優良な解体業者であれば必ず行っている検診です。
石綿障害予防規則
読んで字のごとく、『石綿障害予防規則』という石綿(アスベスト)による障害を予防する法律です。
石綿は、1970年から1990年にかけて大量に輸入されました。
そして、その多くは建材として建築物に使用されてきた経緯があるのです。
写真をみてもらうとわかりますが、とても細いでしょう!
それもそのはず、我々人間の頭髪の1/5000の細さなんですよ。
製造から40年近くなりますと、建築物の老朽化が始まり、更新時期を向かえることになります。
それらの建築物の解体工事が増加すると工事に従事する労働者(解体業者等)の石綿による健康障害の発生が懸念されるのです。
これらの労働者の健康障害防止対策の充実を図るために、『石綿障害予防規則』が制定されました。
そして、平成17年7月1日より施工されることになったのです。
石綿障害予防規則の抜粋
石綿障害予防規則 第六章 健康診断(第四十条―第四十三条)
(健康診断の実施)
第四十条 事業者は、令第二十二条第一項第三号の業務(石綿等の取扱い又は試験研究のための製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に限る。)に常時従事する労働者に対し、雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
- 業務の経歴の調査
- 石綿によるせき、たん、息切れ、胸痛等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査
- せき、たん、息切れ、胸痛等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査
- 胸部のエックス線直接撮影による検査
上記の検診を年2回おこなうことを義務付けており、検診の記録は30年間保存保管しなくてはならないのです。
一口に30年と言いますがすごい長い期間ですよね。
労働者の健康を守る
当然、すべての解体業者はこの法律を知っていることでしょう。
どうして「知っています」と書かないかと言うと、知らないのか?
知っているけど検診させないのか?
定かではありませんが、石綿健康診断を行ってない解体業者が多く存在しているのが事実だからなのです。
では、法律があるのになぜ守らないのでしょうか?
答えはかんたん、時間とお金が掛かかってしまいますし、なにより労働基準監督署の取締りがないからなのです。
コンプライアンス(法令順守)
優良な解体業者はもちろんこれらのルールもしっかり守ります。
それは、法律を守るというよりは、大切な従業員の健康を守ることを考えているからなのです。
解体工事を行うだけでも下記の法律等、守らなければならいないことが多く存在しているのです。
石綿健康診断もその一つで、企業としての本当の姿勢が問われることになるのです。
- 産業廃棄物処理法
- 労働安全衛生規則
- 騒音規制法・振動規制法
- 大気汚染防止法
- 公害対策基本法
- 石綿障害予防規則
- 建設リサイクル法
- 廃家電リサイクル法 etc.
石綿は肺がん等の健康被害をもたらす
先に話しましたように石綿は、ヒトの髪の毛の1/5000でとても細く、肉眼では見ることができない細い繊維からなっています。
そのため、飛散すると空気中に浮遊しやすく、吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすい特徴があるんです。
吸い込んでしまった石綿の一部は、異物として痰の中に混ざり体外へ排出されます。
しかし、石綿繊維はとても丈夫で変化しにくい性質があるため、肺の組織の内に滞留することになります。
体内に滞留した石綿が要因となって、肺の線維化やがんの一種である肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあるのです。
また発がん性は、石綿の種類によって異なり、青石綿、茶石綿の方が白石綿よりも発がん性が高いとされています。
石綿を吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められています。
しかし、どの程度以上の石綿を、どのくらいの期間吸い込めば、中皮腫になるかということは明らかになっていません。
まとめ
石綿は一度吸い込んでしまうと体内に滞留しやすい性質をもった自然の鉱物です。
製造の過程で建材などの製品を作られていた方が中皮腫や肺がんを発病してしまいました。
健康診断を受診すればそれでよいのか?
という問題ではなく、解体工事に従事する我々解体業者の社員の健康を守るため、関係法令を遵守し、防げることは徹底して行い、その上で年2回の診断を受けて健康状態の把握をしなくてはなりません。
これから解体工事の依頼をするにあたり、業者選びをされているのであれば、その業者さんに『石綿健康診断』を受けていますか?と聞いてみてください。
ビックリしたり、知らなかったしたら、その業者選択は間違っています。
壊すだけの解体工事なので安いに越したことはありませんが、法律も守らないで経費を削減しても、企業努力とはまったくちがう、ただの法律違反にほかなりません。
優良業者というのは業種を問わずコンプライアンスを徹底して守る努力を惜しまないのです。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。