築年数の経ったご自宅の建て替えやリフォーム。
「そろそろ何か手を加えなければいけないかな…」とお考えの皆さま。
そのタイミングは案外難しく、悩みどころなのではないでしょうか。
一般的に住宅業界では、木造住宅の寿命は30年程といわれています。
しかし、これは本当でしょうか。
皆さまのご近所にも、築40年以上経っても同じ土地・同じ家に住み続けておられる方がいらっしゃるかと思います。
実際、寿命の年数を越えていても、住めてしまう・住み続けているケースは少なくないのです。
しかし、長く住めば住むほど、あちこちで劣化もしていくのが現実。
然るべきタイミングで、しっかりとお家をメンテナンスすることが非常に重要です。
では、その「タイミング」とやらは、果たしていつなのでしょう。
今回は、経年劣化や、リフォームと建て替えそれぞれのメリット・デメリット、工事のタイミングについてみていきたいと思います。
皆さまのお家の状況に合わせて、ぜひ参考にしてみてくださいね。
劣化具合の確認をしよう
お家のメンテナンスに、必ずこうしなければならないといった決まりごとはありません。
木造住宅の寿命と言われる30年という数字もあくまで目安と思っていただければ大丈夫です。
メンテナンスのタイミングを見る上で大切なのは、どれくらいの年数が経ったのかという数字ではなく、どれくらい劣化が進んでしまっているかという状況です。
当然ですが、毎日手入れを欠かさないお家と、日頃から手入れを怠っていたお家とでは、後々の劣化状況がかなり異なってきます。
まずは、お家の痛みがどの程度進行をしているのか、しっかりとご自身の目で見て確認してみてください。その際に確認したいポイントは、以下の2つです。
- 水回り(キッチン・浴室・お手洗い)
- 外回り(外壁や屋根)
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
水回り(キッチン・浴室・お手洗い)
水回りは老朽化が進みやすいと言われており、ひとたび故障をすると大規模な修繕工事が必要になってしまう怖さがあります。
そのため、おおよその耐用年数を把握し、それに合わせて点検することをオススメします。
キッチン
キッチンは、メンテナンスをしていないと15-20年程で寿命を迎えます。
実はキッチンは、水回りの中でも特に、使い方次第では劣化が出やすい場所。
寿命が近づいてきたら、一度痛み具合を確認しておきましょう。
1日でも長く使い続けるためには、日頃から油汚れの掃除や、排水口の詰まりに注意して綺麗に保つことが大切です。
また、キッチンで使用するコンロや食洗機、水栓などの設備は、数年に1度のペースで小まめにメンテナンスをし、必要に応じて修理等を行なっておくと良いでしょう。
浴室のお風呂と洗面台
お風呂の耐用年数は15年程度、洗面台は20年程度と言われています。
お風呂は、毎日の使用前後の掃除と換気が非常に大切ですので、カビを生やさないよう、清潔に保つことを心がけましょう。
また、ユニットバスをお使いの場合は、コーキングの劣化が致命傷になる可能性があります。
確認してみて劣化が見受けられた場合は、はやめのメンテナンスをおすすめします。
洗面台は、比較的長く使える印象がありますが、実際ほかと比べても排水自体に汚れがつきにくいので、劣化がしにくい場所ではあります。
一方で、水栓次第では水漏れなどのリスクがありますので、こちらもある程度の年数が経ったタイミングで、メンテナンスを行なうようにしましょう。
給湯器
意外と見落としがちなのが、給湯器。
他のものが使えても、給湯器が壊れてしまっていては、お湯があたたまらない・お風呂の水が溢れてしまうなどの水のトラブルに繋がりかねません。
そのような事態を避けるためにも、こちらも10年程度で点検しておくと良いでしょう。
お手洗い
トイレは、15年程で耐用年数を迎えると言われています。
ですが、タンク内の部品やパイプは、トイレ自体の使用年数に関わらず劣化が早いので、可能であれば、5年に1度程度の頻度で交換・点検をしておきましょう。
水回りの維持で大切なのは、
- 日頃の手入れ
- 耐用年数を迎える前の事前点検
です。
日頃のお手入れを徹底し、ある程度の年数を使ったら定期的に点検をしておくと安心ですね。
また、タイミングさえ被れば、同時に複数の水回りのメンテナンス工事を済ませておくと、総額の費用を安く抑えることができます。
近年では水回りのシステム化が進み、便利になってきた反面、工事も決して安価ではなくなってきました。
後で損をしないためにも、正しい知識を入れておくことが大切と言えるでしょう。
外回り(外壁や屋根)
水回りと比べて外回りは、劣化が視覚的に分かりやすいと言えます。
外から見た時の印象は、ご近所さんからの印象にも繋がってくるので大事にしたいところですよね。
それでは、外壁と屋根それぞれの注意ポイントを見ていきましょう。
外壁
外壁の劣化の原因はさまざまと言われていますが、主に紫外線や風雨、経年劣化あたりが原因として考えられます。
劣化状況を見る上で、特に意識して確認すべきなのが以下の2つです。
- チョーキング
- ひび割れ
チョーキング
チョーキングとは、塗装の劣化によりチョークのような粉が浮き出てくる現象のことを指します。
紫外線による劣化で発生するものなので、まずは日当たりの良いほうの外壁を、素手で触って確めてみましょう。
手に粉っぽいものが付着したら、チョーキング現象が起きていると判断できます。
チョーキングが見られるということは、防水性が低下していることを意味しているため、早めの塗り替えが重要です。
ひび割れ
ひび割れは、経年劣化や、凍結/融解の繰り返し、地震などの自然災害などが原因で起こります。
これを放置してしまうと、雨水がそのひびの隙間から入り込むことで、木材の腐食に繋がったり、シロアリの発生を引き起こします。
髪の毛の細さほどのひび割れ(ヘアークラック)であっても、将来的に建物へ与えるダメージの大きさは馬鹿にできません。
隈なくチェックし、ひび割れを見つけたら早めに業者へ相談しましょう。
そのほか、コケの付着や塗膜の浮き・剥がれ現象など、日光にあたったり雨や風をダイレクトに受ける外壁には、様々な劣化の症状が出てきます。
長く気持ちよく住むためにも、少しでも劣化の症状が見られたら放置しないことが大切です。
屋根
続いて屋根ですが、こちらは使われている素材により、劣化のスピードが異なります。
一般的には、10年程度で塗装、20年程で葺き替えと言われていますので、そのタイミングを逃さないようにしましょう。
ただし、雨漏りや腐食などが見受けられる場合に関しては、放置してしまうと屋根材の張り替え工事などが必要となり、工事の規模が大きくなる可能性があります。
工事にかかる費用も安くありませんので、こちらも外壁同様、気になる症状が出てきた場合は、業者に頼んで確認してみることをおすすめします。
リフォームと建て替えは、どちらがいいの?
さて、水回り・外回りの劣化具合の確認ができたら、次に皆さんが直面する問題が、「リフォームにするのか、建て替えるのか」といったところではないでしょうか。
どちらを選択するにせよ、高額な費用がかかることに変わりはないため、なかなか判断しにくいですよね。
ここからは、リフォームと建て替えのメリット・デメリットについてお話ししたいと思います。
リフォーム工事
リフォームとは、日本語でいう改築のこと。
リフォームでは、痛んだ箇所の修理・補修などを行うことができます。
壁紙の張り替えや雨漏りの修繕、キッチンなどの水回りの交換、床材の張り替え程度であれば、リフォームで補うことができるでしょう。
また最近では、災害の多さから耐震強度の補強なども注目を集めています。
ーリフォームのメリット
リフォームのメリットは、一言で言うと「残したいところをそのままに、更新すべきところは更新できる」ところ。
そのほか、
- 建て替えと比較して工事費用が安価になる可能性が高い
- 工事期間が比較的短く済むことが多い
- 住み慣れた家をそのままにできる
といった点なども挙げられます。
思い出の詰まったお家のほとんどをそのままに、アップデートできるのはとても魅力的ですよね。
工事費用が安価に抑えられるのも、嬉しいポイントの一つではないでしょうか。
ーリフォームのデメリット
一方で、リフォームにもデメリットがあります。
それは、次のような点です。
- 大幅な間取り変更ができない
- 地盤の改良工事ができない
- 劣化が深刻だと費用がかさむ
リフォームでは、どうしてもできない工事があります。
それが大きな間取りの変更を伴う工事や、地盤改良工事です。
そのほか、柱や建物の構造部分まで経年劣化が進んでいるケースだと、安全上の問題で、そのままの状態では工事を進めることができません。
その場合、リフォーム代のほかに多額の修繕費が生じる可能性があるため注意が必要です。
元の構造を活かすというのは、メリットが多い反面、できないこともあるということを頭の片隅に入れておきましょう。
建て替え工事
建て替え工事とは文字通り、建物を丸ごと解体して新たに家を建て直す工事のことをいいます。
ー建て替えのメリット
建て替え工事はリフォームに比べて出来ることが多く、メリットもたくさん挙げられます。
たとえば、
- 新しいライフスタイルに対応できる
- 住宅性能を一新できる
- 間取りや構造を1から決められる
など。
長く住んでいれば、ご家族の独立などで使わなくなった部屋が出てきたり、生活が変わって不便に感じる部分などもありますよね。
建て替え工事では、今のライフスタイルに合わせて構造や間取りも自由に変えられるため、心地よい住まいづくりを叶えることができます。
ー建て替えのデメリット
一方で、規模の大きな工事になる建て替えでは、次のようなデメリットも出てきます。
- 解体費用と建て替え費用で高額出費になる
- 仮住まいが必要になる
- 建て替え不可や今よりも小さな家になる可能性がある
建て替え工事は、解体工事前提になるため、住まいを一時的に住み替える必要があったり、1からの工事になる分、費用が高額になります。
また建築基準法により、旧来と同じ条件では家が建てられないなど、制限がかかる可能性も。
建て替えを検討される際は、費用感や建築時の条件などをあらかじめ確認しておくようにしましょう。
リフォーム/建て替え工事のタイミング
最後は工事を行うタイミングについてですが、これには決まりがありません。
言ってしまえば、皆さまのタイミングでご判断いただくのが一番だということです。
ですが、一般的に工事を検討される方が多くなるタイミングというものもありますので、今回はそれをご紹介したいと思います。
それは、「ライフスタイルが変化するとき」です。
経年劣化が進み、やむを得ず工事をするケースを除いて圧倒的に多いのが、このタイミングでの工事です。
子供の独立や両親との同居など、私たちのライフスタイルは時間の経過とともに変化をしていきます。
その変化に合わせて、住みやすさ・住みにくさも徐々に変わってくるもの。
そのため、この節目が多くの方にとって工事に踏み切るきっかけになりやすいというのも納得がいきますね。
予算やその後のライフプランを加味したうえで、皆さまの然るべきタイミングで工事の選択をすることをおすすめいたします。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、経年劣化の確認ポイントや、リフォーム/建て替え工事のメリット・デメリット、工事のタイミングに至るまで、幅広くご紹介しました。
建物や設備には、それぞれに耐用年数というものが存在します。
定期的なメンテナンスを怠ると、耐用年数まで維持できないどころか、修繕工事が発生し、多額の費用を投じなければならないことも。
長く綺麗に住み続けたいという方は、面倒くさがらずに日頃からお手入れを頑張りましょう。
また、経年劣化やライフスタイルの変化に伴い、リフォームや建て替え工事をご検討されていらっしゃる方も多いと思います。
リフォームと建て替え、どちらも一長一短ですので、正解・不正解はありません。
ご自身や家の状態に合わせて、ご希望に叶った工事を選択するようにしましょう。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。