ご実家の解体工事。建て直しのための解体工事。住宅を一軒解体するためには、どうしても普段は出ないような「音・ホコリ・振動」などが発生してしまいます。
そのため、解体工事を行う近隣の方にとっては、普段の生活が一時的であっても変わってしまう不安と、解体工事によって自宅の損傷が出るのではないかという心配からクレームを入れてこられる方もいらっしゃいます。
そこで今回は、解体工事のクレームケースと対応方法。そして、工事によって発生するクレームの原因である「業者選び」のポイントについてお話していきます。
目次
1: 解体工事のクレーム例
はじめに、インターネットや新聞のコラムなどを見ていると、次のような解体工事に関するクレーム例を目にすることがあります。
基本的にクレームは隣家から発生しますので、次のような内容が大半です。
隣家が売却を決めたようです。隣の家と自分の家は大変密接しているため、隣の家を解体するために、不動産が「解体の足場をお宅の敷地に組ませてください」と言って来ました。売却後、どんな方が購入して越してこられるのかわからなかったのと、これからも長いお付き合いになると思って快く承諾。しかし、解体工事の初日から・・・
- ことわりもなく私の家の前にトラックを駐車する
- 養生が原因なのかわからないがホコリなどが飛んできて窓や外壁が泥だらけ
- 振動と騒音がひどすぎて家の中でテレビが聞こえない
- 外出から戻ると勝手に家の外壁に水をかけて洗おうとした痕跡が
いかがでしょう。解体工事を行う方はスムーズに工事が進んでいると思っていても、隣家の方々の中には、こんな風に感じているかもしれません。また、このように感じる期間が長く続けば続くほどストレスも溜まっていきますので、突然のクレームに発展する可能性も出てきます。
まず、これは私たち解体工事業者も含めてですが、近隣住民の方にとって解体工事は「迷惑なことのひとつである」という認識を忘れず、徹底した丁寧な対応と可能な限り音や振動を出さない工夫をこらした作業を心得ておく必要があります。
2: 施主様が知っておくべき解体工事のクレームケース
近隣住民の方が不安や心配の心境に陥り、被害者と感じて不満を持たれるクレームケースを見ておきましょう。
先にある程度わかっていると、対処方法を考える余裕が生まれます。
(1)騒音に関するケース
解体工事においてもっともクレームになりやすいので注意しなければいけないのが「騒音」です。
とはいえ、住宅を一軒解体するとなると、重機を使って建物を壊しますので、騒音をゼロにすることはできません。
また、重機が入れないような場所であった場合、人力で叩いたり切ったりして解体を行いますので、こちらの場合でも普段の生活とは違った音が出てしまうことになります。
そして騒音とセットで発生してしまうのが振動です。重機を使って解体作業を行うと、近隣住宅に少しは振動が伝わってしまいます。
振動は普段の暮らしでは発生しない現象なので、敏感に反応される方もいらっしゃいますし、地震のように感じ「落ち着けない」という方もいらっしゃいます。
普段と違う音、普段は感じない振動。どちらのケースもクレームになる場合は「自分の生活が脅かされてしまうのではないか」という不安から発生していると考えられます。
(2)粉塵に関するケース
解体工事によってホコリが大量に舞ってしまう。解体工事業者としては、ホコリや塵が舞わないように作業を進めていますが、音や振動と同じようにゼロにすることはできません。
粉塵は、汚れや体調に関わることが多いため、敏感な方はクレームの原因になりやすいです。
(3)路駐に関するケース
本来、道路を使う場合は「使用許可」を申請しておかないといけませんが、質の良くない業者の場合は、適当に路上駐車して作業するところもあると聞きます。
もし自分の家の前に知らない車が駐まっていれば、快くは感じません。ちょっと一言「駐めさせてください」と伝えていればクレームにならない可能性もあるのですが、何の連絡も無く駐まっているとクレームに発展しやすくなります。
3: 対処方法を先に理解しておくと安心
クレームが発生する前に、対処方法を知っておきましょう。
(1)解体工事のクレーム対処法
もっとも基本的なことですが、人間誰しも「人間関係を悪化させてやろう」とは考えていません。
些細な問題であれば、「まぁ、解体しているんだし仕方ないよね」で終わるものです。しかし、程度を超えてしまった作業となると、「いいかげんにしてほしい」という感情が湧き上がり、最後には「改善されないなら訴える」というようなことになってしまいます。
解体工事のクレーム対処法の基本としては、次のようなことに注意しておくだけで、かなり軽減されると言えます。
- 粉塵に対してのクレーム対処なら、散水量と散水回数を増やす
- 騒音に対してのクレーム対処なら、防音シートの性能アップと追加
- 振動に対してのクレーム対処なら、振動が発生しにくい工事方法に
どれも大切なポイントは「すぐやる」ことです。迅速な対応こそ、近隣の方々へ安心してもらえます。
(2)クレームをできるだけ少なくするためにできること
クレームをできるだけ少なくするために、最初にできることは「ごあいさつ」です。
人は自分が物事の中心にいると感じられると安心します。そのため、解体工事を行うときも、近隣住民の方へ説明をしておきましょう。
説明することで「あなたのことを大切に考えています」「あなたにも知っておいてほしいんです」というメッセージを伝えることで、相手は「自分の知っていること」として納得してくれることが多いです。
反対に説明せずに解体工事をスタートすると、騒音や振動などがほとんど発生していなくても、自分の知らないところで大きなことが始まっているため疎外感を覚え、「(オレの知らないところで解体工事なんてしやがって!)音がうるさいんだよ!」というようなクレームが発生しやすくなります。
後は、近隣住民との相性、地域の特性などを解体工事業者へ伝えておき、配慮しながら工事を進めてもらえると気持ちよく解体工事を終えることができます。
4: 解体工事のクレーム発生は業者次第で変わります
解体工事のクレームは「工事前のごあいさつ」「工事前の説明」で、かなり少なくすることができます。
ただし、解体工事業者の質が高くないと、工事がスタートしてから騒音や振動、路駐や粉塵に関するクレームが発生することもあります。
そのため解体工事を依頼されるときには、自社スタッフの教育が行き届いている業者なのかどうか。教育が行き届いたスタッフだけで工事を行っているのかどうか。
施主様の困り事に、真摯に向き合い相談に乗ってくれるのか。できるなら、工事の挨拶や説明に同行してくれるのかどうか。
こういったポイントを確かめてから依頼してもらいたいと思います。
いくら解体工事費用が安くても、
- 荒っぽい解体工事
- 路上駐車は当たり前
- 質の良くない養生シートでホコリが舞う
- 私語が大きく多い
こういった業者に依頼すると、工事中のクレーム発生はもとより、解体工事が終わってからも近隣の方との人間関係に影響を及ぼしてしまいます。
近隣の方からクレームが発生したときでも、上手に配慮をもって対応してくれる業者を選んでください。
5: まとめ
基本的に解体工事のクレームは業者の質で変わります。そのため値段だけで決めるのはおすすめできません。
また、クレームの中には「意図的なクレーム」もあります。こういう場合は、クレームの日時や内容・対応方法を記録しておきましょう。施主様でも工事業者でも対応できないような意図的なクレーム(誠意を見せろ!系)には、客観的な判断が出来る証拠を用意して弁護士に入ってもらうのがおすすめです。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
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解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。