そのままにしていませんか?空き家の放置が招くリスクと解体するタイミングとは

街を歩いていると時々目にとまる「空き家」。

日頃からメンテナンスがされておらず、長く放置されているお宅などでは外壁や屋根がはがれかけていたり、倒壊しかけていたり、草木が伸び放題のままになっていたりと、日常生活のすぐそばで危険が常態化しているなんてことも珍しくありません。

 

そんな危険を伴う空き家ですが、実は年々その数が増加しており、社会問題として取り沙汰されるまでに深刻化しているということをご存知でしょうか。

 

もしかしたらいまこの記事を読んでくださっている皆さんにとっても他人事ではない問題かもしれませんね。

 

そこで今回は、空き家をそのままにしておくとどうなるのか、いつ解体すべきかなど、皆さんが不安に思われていることを解体業者の視点から掘り下げて解説していきたいと思います。

1. 空き家問題の実態

総務省の調査によると、2023年の時点での空き家の軒数は全国で849万戸を越えているそうで、割合でいうと日本全国の住宅のおよそ14%にまで及んでいます。

 

これだけの数が空き家になっていると分かると、少しゾっとしてしまいますよね。

 

空き家が生じる理由はさまざまですが、

  • 相続したけど、住む予定がない
  • 売却が難しく、そのまま手つかずになっている
  • 年齢や体調不良を理由に施設等に入所することになり、住む人がいなくなった

 

このあたりがよくあるパターンかと思います。

 

実際、弊社にお寄せいただくご相談の中には「相続したはいいけれど、自身は遠方に住んでしまっているため管理が難しい」と解体をご検討されているお客様も多くいらっしゃいます。

 

このように、放置は良くないと思いつつどうすべきか分からずに悩まれている方がいたりと、ひとえに空き家問題と言えどもその実態は非常に複雑と言えるでしょう。

2. 空き家を放置することによるリスク4選

とはいえ、空き家を放置してしまうと、大なり小なりリスクを伴う恐れがあります。

今回は考えられる問題を4つご紹介いたします。

 

① 倒壊や崩落のリスクが高まる

建物というのは不思議なもので、人が住まなくなると急激に老朽化が進んでしまいます。

老朽化が進むと起こりやすくなるのが、屋根の崩落や外壁の落下などです。

 

実際、過去には10年以上空き家だった木造家屋が台風の影響で倒壊し、隣接していた駐車場にがれきが落ちたことで停まっていた車を破損させてしまった、なんていう報道もありました。

 

このように、誰かが住んでいれば維持・管理されているであろうものが、管理の手が行き届かなくなってしまうだけでお家の状態をキープし続けることが難しくなってしまい、最悪の場合、周囲に甚大な被害をもたらす可能性もあります。

 

② 不法侵入や放火などのリスクが高まる

人の気配がない空き家は、不審者のたまり場や放火の対象になりやすいと言われており、地域の治安の悪化に繋がる恐れがあります。

 

よくある被害としては、

  • 若者などの遊び目的での侵入
  • 不審者による不法占拠
  • 火遊び・タバコなどの不始末による火災
  • ごみの不法投棄 など

が挙げられます。

 

③ 周囲からの苦情や行政による指導が入る可能性がある

他にも空き家の周辺にお住まいの住民の方々から「草木が伸びていて、通行ができない」「ゴミが不法投棄されていて匂う」など、苦情の声が上がることが考えられます。

 

また、あまりにも状態が悪い場合は、行政の方から【特定空き家】に指定されてしまう恐れもあります。

 

特定空き家とは

2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、危険・不衛生・景観を著しく損なう空き家に対して、【特定空き家】に指定できるようになりました。

万が一特定空き家に指定された場合、指導だけにとどまらず、罰金や固定資産税の値上げ(最大6倍)、最終的には行政代執行(いわば強制解体)の対象になる可能性も出てきます。

 

④ 資産価値の低下=売却時に影響も

空き家は長い期間放置してしまうと、希望する価格で売却することが難しくなることがあります。

現況では住めないという理由から買い手が解体費用込みで価格交渉をしてくることがほとんどになるからです。

 

また、空き家が目立つ地域などでは景観や治安面の観点から人気が下がってしまうこともあり、土地の価値にも悪影響を及ぼすことがあります。

3. 解体のベストタイミングはいつ?

それでもなお、空き家をどうするべきか迷っているという方にお伝えしたいこと。

それは「放置すればするほど、後が大変になる」という現実です。

 

そのため、まだ建物がしっかりしている状態でどうするべきかを判断することをお勧めいたします。

 

そうすることで、

  • 解体費用が安く済む(老朽化が進むほど高くなる)
  • 売却や土地活用の計画が立てやすい

などのメリットがあるからです。

 

過去に弊社にご相談いただいた事例の中には、10年近く放置されていた空き家の解体費用が通常の1.5倍ほどかかってしまったこともありました。

 

このように、建物の状態が悪い場合、安全に作業するための措置等がコスト増の大きな要因となることもありますので、劣化が進む前に手を打ってしまうのがベストと言えるでしょう。

4. 解体すると固定資産税が上がるって本当?

空き家を所有する多くの方が悩まれているのが、「解体すると固定資産税が高くなるのでは?」という問題です。

 

結論から申し上げますと、これは事実です。

というのも、建物を壊して更地になると住宅用地の特例が使えなくなるため、固定資産税が約3~6倍に跳ね上がるケースがあるのです。

 

住宅用地の特例とは

家が建っている土地にかかる固定資産税を軽くするための制度。

特に1戸あたり200㎡までの部分については、評価額を通常の6分の1にまで引き下げて計算することができます。

このため、住宅が建つ土地は同じ広さの空き地などに比べて税負担が大幅に軽くなるという仕組みです。

また、200㎡を超える部分についても一定の減税が受けられる場合があります。

 

このような理由から、税金が上がるくらいなら壊したくないという人も多いのが現状です。

 

たしかに解体後に固定資産税が上がるのは避けられません。

 

ですがそれ以上に、放置することのリスクとそれを補うために出ていく費用の負担のほうが相対的に大きくなる傾向にあるので、固定資産税のことを考えて解体を後回しにするという考えは短期的な視点に過ぎません。

 

月極駐車場にしたりアパートや貸家を建てたりと、有効活用できる術があるようであれば、解体して土地を活用するほうがかなりお得になるということもありますので、目先のコストだけで決めてしまうのではなく、トータルコストを考慮して長期的な目でどうするかを判断するようにしましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回はご実家が持ち家の方にとっては、決して他人事ではない【空き家問題】に焦点を充てて見てまいりました。

 

空き家は放っておくと、事故や犯罪、近隣トラブルなどの思わぬ問題を引き起こしてしまうことも。

また、固定資産税を恐れて放置を続けてしまうと、最終的に皆さまに降りかかってくる金銭の負担が大きくなりやすい傾向にあります。

 

誰も住まなくなった家のその先を考えるのは心身ともにとても大変なことですが、早めに向き合うことで皆さま自身が安心できるだけでなく、新たな活用の可能性もグッと広がります。

 

その中で解体はあくまで選択肢のひとつにすぎませんが、「このままでいいのかな?」と思ったときが動き出すタイミングかもしれません。

 

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