- 両親が住んでいた家だから。
- 田舎にある、おじいちゃんとおばあちゃんが住んでいた家だから。
- 今は誰も住んでいないけれど、そのまま何となく放置。
- 気にはなっているけれど、具体的にどうするかは保留中。
- というか、考えても思いつかないし。
- 先祖代々の土地だから、私が勝手に売ったらバチがあたりそう。
このような心境、私も十分にご理解できます。
日本独特な感覚というのでしょうか。
アメリカ人の「家」や「土地」への感覚は「投資」という部分を含んでいることが多いですが、多くの日本人の感覚はというと「守り続けるもの」という部分が多いのでしょうね。
この感覚は、日本人独特の非常に美しい考え方なのだと思います。
しかし、現在の空き家に関する条例や更地の需要の高さから見ると、使わない家をそのまま持ち続けることは、資産という視点から見ても「デメリット」が多いということになります。
そこで今回は、使わない家を更地にする専門家である、解体業者の私が「使わない家」はどうすることができるのか、ということをお話していきたいと思います。
1: 使わない家の活用の選択肢
それぞれに事情があって「使わない家」があるのだと思います。
でも、いつかは「何とか」しないといけないことは、誰もが理解していることでもあります。
そして、いつまでも「使わない家」を持ち続けることは
- 家の維持費がかかり続ける
- 庭の管理費もかかる
- 遠方に住んでいる場合は、手入れの度に交通費がかかる
- 固定資産税を払わないといけない
- 条例によっては防犯上の問題が指摘されることがある
- 半壊している、草が生い茂っているなどの場合、まわりに迷惑がかかる
このようなデメリットが、あなたの元にやってきます。
そこで、使わない家を活用するには、どんな選択肢があるのかをまずは知っていただきたいと思います。
(1)使わない家を売ってしまう
この場合、まずは不動産屋さんに査定をお願いしましょう。
「もし、売ったらいくらになるのか」
を、明確に知っておくことが必要です。
そして、これはどんな場合でも同じですが、査定は複数の不動産屋さんにお願いすることが必要です。
査定額は不動産屋さんによって大きく違うことがあります。
また「こんな場所の家は売れないだろう」と思っていても、現在は自治体が率先して「田舎へ移住しませんか」という施策を行っているところもあります。
査定してみると、意外にも想像よりも高い値段が付くこともあります。
更地にしようかと考えていても、一度は査定をしてみるのも得策です。
(2)使わない家を貸す
「使わない家」がまだ住めるのなら、貸すという選択肢もあります。
この場合に気をつけることは、
「家賃収入 < 維持費」
とならないことを確認しておきましょう。
修繕費や固定資産税などは、家主である「あなた」が払うことになりますから、安い家賃で貸してしまうと「持ち出し」ばかりになってしまうこともあります。
ここは非常に気をつけておいてほしいところですね。
(3)現状のままにする
これの選択肢のひとつです。
しかし、もしあなたが決断しなかった場合、その「使わない家」は、あなたのお子さんへ引き継がれることになります。
家と土地はうれしいですが、先に上げたデメリットも引き継ぐことになります。
ですから、今すぐどうこうしようと思わなくても、一度は査定をしておくことが必要です。
「いったいいくらで売れるのか」を知っておくことは重要です。
この金額を元にして、今後どうしていくのかを具体的に考えることができます。
(4)更地にして使う
今のままじゃ住めようにない。
空き家のままだと防犯上も・・・。
まわりの人にも迷惑かけそうだし。
家は維持費がかかりますから、更地にして維持するのも選択肢です。
でも、この場合に気をつけておいていただきたいことがあります。
それは、
「固定資産税が上がる」
ということです。
家がなくなり更地になると、固定資産税は上がってしまうんです。
そして、解体業者の私が言うのも変ですが、更地にするためには「費用」がかかります。
「ただ壊すだけなのに・・・」とおっしゃる方もおられますが、家を取り壊して更地にするには、専門の技術と経験、そして廃棄物の処分費用が必要なんです。
また更地にした後、有効活用していただけるようにすることは、「ただ壊す」だけではなくきちんと廃棄処理をし、野菜を植えられるくらい綺麗な土地にする必要があるのです。
だからこそ更地にするために「費用」が必要となっています。
2: 更地にした方がトクなのか
4つの選択肢をご紹介いたしました。
4つの中でも特に「更地にした方がトクなのか」ということは、私も良く聞かれることのひとつです。
更地にするメリットをお話しますと
- 使わない家が物理的に無くなるので、気持ちが楽になります
- 使わない家のご近所の目が気にならなくなります
また、更地にした方が高く売れる場合があります。
- 使わない家が、そのままでは住めない場合
- 築20年以上の物件だった場合
デメリットは先ほども出てきました
- 固定資産税が上がる
- 費用がかかる
ですね。
どの部分でメリットとデメリットを感じられるかは、それぞれの状況にも左右されますが、長い目で考えると更地にすることは「トク」だと言えます。
その理由は、
- 悩みが減るので精神的に良い
- ほとんどの場合は住めない事が多いので、更地の方が価値が高い
- 更地にすると、別の収入源にすることもできる
いつも心の隅にひっかかったまま、いつかはいつかはと気にして過ごすよりも、別の収入源にした方が収入も気持ちも楽になると思います。
3: 解体は解体業者へ
もし、ここまで読み進めていただいたあなたが、解体して更地にするという選択肢も含めてみようと思われたのなら、、、
ぜひ気をつけていただきたいことがあります。
それは、解体は「解体専門の業者」へ依頼することです。
見積もりもそうですが、私共のような専門の業者へ依頼してください。
現在、解体は解体専門ではない業種の方達も参入しています。
専門の業者と同じような機械や服装なら、同じようなことが出来るとは思わないでほしいのです。
解体を行うには
- まわりへの配慮
- わかりやすい解体の説明
- わかりやすい費用の説明
- 綺麗な更地への仕上げ
最低限、これだけはお客様に満足いただけなくてはいけません。
でも、これらが出来ないことで、トラブルになっているということが耳に入ってくることもあります。
このように、最低限のことが出来た上で、より気持ちよくお客様へ価値のある状態になった「更地」をお渡しできるのは、解体専門の業者しかありません。
使わない家の近隣の方達とあなたが、これからも上手に気持ちよく付き合い続けられるようにすることは、解体専門業者の仕事のひとつです。
ただ家を壊すだけではなく、人間同士のお付き合いに心を使えるのが「解体専門業者」です。
ぜひ、専門の業者へ依頼してください。
4: 解体だけでなく2本立てにする
さて、選択肢があっても、どうにも迷ってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、無理に決めようとしないでください。
別に今すぐ白黒はっきりさせる必要はありません。
そんなときは、不動産屋さんへ
- 中古住宅として売りたい
- 更地にして売りたい
2本立てで相談することもできます。
そうすると、欲しい人の範囲が倍になります。
家付きがほしい人と、土地だけがほしい人ですね。
そして、解体せずに売った方がトクなのか、解体の費用を使っても更地にした方がトクなのか、不動産屋さんからアドバイスをもらうことも忘れずに。
家は場所や時代によって値段が変動します。
田舎だから安いと言われていても、リノベーションして田舎暮らしをしたい若い方もいらっしゃいます。
こんな場合なら、解体費用よりもそのまま売った方がトクかもしれません。
選択肢に迷われたら、2本立てで考えてみてください。
5: まとめ
「使わない家」と言っても、それぞれに思い出が詰まっているものです。
取り壊して更地にする、それとも販売する。
選択肢は今回お話しましたように、複数あることを覚えておいてください。
「使わない」から解体して更地に。
という場合でも、更地を売るのか、毎月の定期収入の一つとして資産運用するのか。
先のことまで考えておかれることをおすすめします。
使わない家の場所によっては、
- コインパーキング
- 太陽光発電
- 風力発電
- トランルーム
というような、施設にすることで新たな資産として、あなたがその土地を有効活用しながら引き継ぐことが出来るかもしれません。
選択肢は多い方が、どんなことでも良いものです。
今回の記事をお読みいただくことで、あなたが「ご先祖さんもよろこんでくれて、自分も満足して安心した」と思える方法を選んでくだされば幸いです。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。