毎年、5月頃になると『今夏の気象予想』が、あちらこちらから聞こえ始めます。
そんな予想の中で一番の心配が、暑さの予想です。
解体工事は、炎天下で作業を行うことが多いため『熱中症』になる確率が高い業種と言えるかもしれません。
気象庁が5月24日に発表した(6~8月)の天候の見通しですと、今年の夏は全国的に暖かい空気に覆われやすく、夏の気温は高くなるようで、6月から7月にかけては平年と同様、曇りや雨の日が多くなる予想です。
最近の天気予報はおどろく程良く当たりますので、今年の夏は『猛暑』になると思います。
環境省の取り組み
環境省では、熱中症を未然に防止するため、「環境省熱中症予防情報サイト」を設置して、熱中症へのかかりやすさを示す暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)の予測値・実況値の提供を行っています。
今年は、4月20日(木)~9月29日(金)までの期間で情報提供をしてくれるそうです。 .
近年、地球温暖化やヒートアイランド現象の影響により、都市部を中心に暑熱環境が悪化していて、熱中症の発生が数多く報告されています。.
これらに状況に対応するために、環境省では平成18年度から、熱中症予防情報(暑さ指数(WBGT)予測情報)を提供するホームページを運営しておりまして、サイトへのアクセス数は、平成28年度は約1150万件もあり、多くの方々が利用しているのです。.
暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)とは?
人体に与える影響の大きい要素
①湿度
②日射等からの輻射熱(黒球温度)
③気温
①から③までの3つを取り入れた指標となります。
そして、気温と異なり人体と外気との熱収支に着目した指標でして、労働環境や運動環境の指針としてISO等で規格化されています。
(算出方法). 屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
スマホ対応! 熱中症予防情報メール
石井商事のホームページにも書いておりますが、弊社では数社の「住宅メーカー」さんの工事も請け負わせて頂いております。
その中の住宅メーカーさんよりファックスが入り、『環境省より発信される「熱中症予防情報メール」の携帯電話への登録の義務化とします。』と言う通達内容の連絡がありました。
作業に関わるすべての職方さんが個々に「熱中症予防情報メール」を受けることによって、その日の「熱さ指数(WBGT値)」情報を把握して現場作業にあたることで注意喚起ができるメリットがあります。
- 登録対象者は「当社現場へ入場する協力会社の代人さん及び全就労者さん」と言われております。
石井商事では早速、すべてのスタッフに「すぐメール」を登録してもらい、「熱中症予防情報メール」が届くように設定させて頂きました。
私にも設定できたくらいですのであまり難しくはありません、この記事をご覧の皆様にも是非登録して頂き、私どもと一緒に暑い夏を乗り切りましょう。
○○ホームさんの取り組み
お取引をいただいている○○ホームさん、お仕事をいただくだけでなく、安全面の指導もいただいております。
本当にありがたいことですね。
協力業者さん全員で、熱中症予防対策をしましょうと言う趣旨で、色々な情報の提供を受けており、「熱中症予防情報メール」も○○ホームさんからのご指導です。
○○ホームの現場で働く皆様へ
熱中症対策のポイント
- 作業前ミーティングでの就労者健康状態の確認を徹底すること。
- 適切な休憩の取得に水分・塩分の補給と、塩飴などの暑さ対策商品の装備と配布を励行すること。
- 当社工事担当、全協力会社代人及び現場就労者は「熱中症予防情報メール」の登録を義務とし、「暑さ指数」情報を把握して現場作業にあたる。
- WBGT値による休憩時間の目安
①WBGT値28度以上:50分作業したら10分の休憩をとる。
②WBGT値31度以上:30分作業したら10分の休憩をとる。 - 就労者が体調不良を訴えた場合は作業を中止させ、休憩後に体調が回復しても作業を継続させず帰宅を促し、休養をさせること。
- 必要に応じて熱中症予防研修会を開催・受講すること。
石井商事の経験
今から4年程前だったと記憶しています。
その日は、早朝より気温が高く、風もなく蒸し暑い日でした。
天気予報では35度を超えて「猛暑日になるでしょう」との予報でしたので、いつもより時間をかけて朝礼し、今日は猛暑日になることを伝え、水分補給・適時休憩をすることで『熱中症』予防になる等の話をしてスタッフを送り出しました。
10時頃でしたね、現場の職長Y君より電話が入り、「スタッフのT君が急に倒れた」の一報です。電話口からは、救急車のサイレンが鳴っており、どんどん近づいてくる様子が聞き取れます。
作業開始から1時間弱で起こった出来事でした。
T君は職長Y君に付き添われ、救急車で搬送されました。
病院に到着するまでの間も点滴を受け、到着後にも続けて点滴で水分を補う治療を行ったお陰で3時間後には帰宅出来るまでに回復しました。
T君は、当時38歳で中背中肉のいたって健康的なスタッフさんで、健康診断の結果も毎年良好な方です。
その日は午前9時に現場に到着、T君の作業は重機解体時の粉塵防止のための散水作業でしたので比較的軽作業を行っていました。
その様子みていたスタッフから聞いたところ、急に赤い顔になり、「暑い暑い」と言ったとたんに倒れてしまったと言っていました。
作業していた場所は車庫コンクリートの上で、日陰になるような屋根もない状態でしたので、下からの照り返しが強く、作業場所はかなりの高温になってしまっていたんだろうなと想像します。
後日、T君に聞いてみると、前の晩はいつもより遅くまで起きていた上に、結構な量のお酒を飲んでいてようです。
寝不足と飲酒が重なり、前日までの疲労が回復出来ていない状態で作業にあたったのが原因ではないかと思います。
本人も、まさか自分が熱中症で搬送されるなんて、夢にも思っていなかったようです。
まとめ
地球温暖化やヒートアイランド現象の影響により、毎年、熱中症に掛かる方が多くなっています。
水分の補給や適時に休憩を取ることで熱中症の予防になることは分かっているのですが、仕事を少しでも早く仕上げようとの考えで無理をしてしまうケースの多いのではないでしょうか。
自分は、まだ若いから熱中症なんて他人事と思ってしまいがちですが、若い方でも睡眠不足や過度の飲酒など、前日の過ごし方で熱中症を引き起こすことがあるのです。
「熱中症予防情報メール」等を取り入れる試みは、とても有効で、それらの情報を得ることによって計画的な働き方を考えられます。
猛暑がつづく7月から9月に行われる現場においては、十分な工期をもらった上でゆとりある作業を行うように心がけ、「解体現場から熱中症をなくしましょう!」
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。