擁壁解体の施工事例
今回ご紹介するのは、弊社へのお問い合わせも多い、擁壁解体工事の施工事例となります。
施工現場は、神奈川県横浜市青葉区です。
住宅の建て替えを検討されている方の中には、コンクリートの「擁壁や堀り車庫」などの解体を考えているかたも多いことでしょう。
ふつうの塀は道路の高さから立ち上がっているので、解体作業もむずかしくないですが、高低差があって、土砂を留めている「擁壁や掘り車庫」を取り壊す場合、お隣とのからみや土砂の処理など、土木系の要素が含まれてきますので、解体する業者には、知識と経験による高い技術が必要になります。
そして、次の計画を把握したうえで解体を進めていき、土砂の掘削や処分も含めての『解体工事』を行わないと、無駄な時間とお金がかかってしまいます。
今回、解体する擁壁は、間知石(けんちいし)擁壁と呼ばれるもので、擁壁自体の重さで土砂を支える構造となっているもので、高低差が多い時の土留めによく使われるものです。
擁壁の解体は上から順番に始まります
ペンキ屋さんが屋根を塗り進めて気がついたら、自分のまわりばかり塗ってしまい、そこから動けなくなってしまったと言う、笑い話しを聞いたことがあります。
5mの高さがある擁壁解体の場合、壊す順番を間違えてしまいますと、非常に危険な作業となってしまいます。
重機に油圧ブレーカーとよばれるアタッチメントを付け、打撃工法で解体を開始していきます。
初日は、上から5段分の間知石擁壁が解体撤去できました。
解体した間知石を、宅地側に伏せ込むように内側に倒し、外側へ落ちないように工夫しながらすすめます。
油圧ブレーカーで打撃しながら順序よく壊していきます。
間知石の場合、裏側に詰め込んであるコンクリートもあわせると、50センチもの厚みがあるのです。
こちらは、圧砕機(大割ともよばれます)です。
打撃工法と違いは、油圧の力で噛み砕くように壊すことができるので、無音とはいきませんが、低騒音で解体できるアタッチメントです。
先端に掛かる圧力は、355KN≒36トンにもなります。
カニの爪のような形をしていて、とても力持ちで分厚いコンクリートも、咥えられたものは、ほとんど噛み砕くことができます。
ようやくここまで解体しながら下がってきました。
この位置で上から2mくらい壊したところですかね、まだまだ道のりは長いですね。
解体と同時に残土も搬出していきます
土留めの擁壁を壊していくと、当然ですが、留めてあった土が崩れてきますので、解体工事後の計画に合わせて、残土として搬出していく必要があります。
この現場では4トンダンプで35台分の残土を搬出することになりました。
解体開始から7日目の状況です。
解体→コンクリート搬出→残土搬出を繰り返し、ようやくここまで下がってきました。
上から写すとこんな感じです。
重機がだいぶ下の方にみえますね。
地山(掘削されたり、盛り土されていない土)であったことや土の質が良質であったため、仮設の土留めの必要がなく、ほとんど直壁に掘ることが出来ました。
解体工事でここまで仕上げてあげると、次の造成業者は楽ちんですね。
写真右側に残してある間知石擁壁の撤去は、隣地側に仮設土留めを行ったうえで撤去する予定となります。
ここまで来ればひと安心
道路の高さまで下がってきましたのでトラックも近くに見えますね。
地上に立ち上がっている部分はもう少しで壊し終わります。
これは基礎部分の解体作業です。
結構立派な基礎ですので打撃工法で作業をすすめます。
左隣地側の間知石、綺麗に縁が切れて、解体できてますね。
とても上手に壊れたとおもいます。
今回の工事は、間知石積み擁壁を解体して車2台分の地下車庫をつくる計画です。
間知石積み擁壁を壊すには、残土も片付けなくては解体が出来ないため、解体時に残土も出しながら、造成まですることにしました。
解体時にここまでの作業ができれば工期が短縮できますので、経費の削減にもつながります。
今回の擁壁解体は、階段と間知石積をあわせると、86㎡でした。
そして、気になる解体費用ですが、解体をするにあたって、裏側の土砂を掘り起こしたり、移動したりの作業が加わるので、㎡/12,000円の費用がかかりました。(残土処分費は別途費用です)
高さ2メートル程度であれば、約半分の㎡/6,000円位が目安になると思いますので参考にしてください。
いつものように、たっぷりの水で道路を洗い、仮設シートを設置して工事の完了となりました。
間知石積み擁壁を砕いたり、打撃したりと、音の出る解体作業が続きました。
特性建設作業の届け出は出してはいますが、ご近隣の皆様には大変ご迷惑を掛けた事かと思います。
解体工事開始まえにしっかりとご挨拶できたので工事に関する苦情などは一切ありませんでした。
ご理解ご協力をいただきました近隣の皆様には、この場をお借りしまして改めて御礼もうしあげます。
ありがとう御座いました。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。