解体工事や土地の購入の際に耳にするキーワード、【更地】と【整地】。
聞きなじみのない単語ではないけれど、改めてそれぞれの意味の違いを問われると、案外答えられないかも…という方いらっしゃいませんか。
実はこの2つ、字面だけだと少々わかりにくいですが、全然違う意味なんです。
しっかりと意味を抑えておかないと、解体工事後のトラブルのきっかけにもなりかねません。
あとで「こんなはずじゃなかった…」とならないよう、頭の片隅にいれておきましょう。
1.更地とはなにか
更地とは、少し難しい言い方をすると
- 宅地として利用できる、建築物のない土地
- 賃借権や借地権、地上権などのいわゆる使用収益権が設けられていない土地 ※抵当権は除く
のことを指します。
つまり権利がついていないことが前提の、建物がない宅地ということですね。
更地と聞くと、「建物などがない土地」を一番に意味してると思われる方が多いのですが、建物の有無だけでなく、こうした権利も発生していない宅地というところがポイント。
宅地ですので、農地や山林などは、たとえその上に建物がたっていなくとも更地とは言えないということになります。
2.整地とはなにか
耕作や建築などに適すように、コンクリートや石、ガラスを取り除いた後、平らにならして地固めした土地のことを整地と言います。
建物の新築工事や解体工事、お庭の整備などにおいて整地は欠くことのできない作業のため、私たち解体業界において【整地】は頻出ワードの一つだったりします。
整地方法には種類がある
実はこの整地は、仕上げ方が一つに限定されているわけではありません。
今回は、代表的な整地方法から3つご紹介したいと思います。
- 粗仕上げ
石・木くず・コンクリート片などを除去した後に、重機で土を平らにする仕上げ方。
他の整地作業と比べ、比較的簡単に行うことができ、コストや手間があまりかからない方法になります。
- 土間コンクリート、アスファルト舗装仕上げ
整地して駐車場に変えたいなど、耐久性重視で活用をお考えの方におすすめの仕上げ方。
荒仕上げと比較するとコストや時間がかかるため、施工スケジュールを踏まえ、余裕をもって依頼するようにしましょう。
- 土系(どけい)舗装
真砂土など、いわゆる砂質系の土や砂に固化材を混ぜて敷きならす方法。
衝撃吸収性が高いため、公園等の公共の場でよく見かけるタイプの舗装です。
どうでしょう。
ひとえに整地と言えど方法はさまざまあり、どんなシーンでの使い方が適しているかも異なるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
このように、その後の土地活用の種類によって仕上げ方は大きく変わってきますので、事前に大まかに考えておくと、業者とのやり取りもスムーズに進みますよ。
3.更地と整地の違い
ここまでくれば、多くの方がお気づきになるかもしれませんが、整地と更地の決定的な違いは、「転圧作業をしているかしていないか」です。
転圧作業がされているのが整地、されていないのが更地と呼ばれます。
転圧とは、ロードローラーを用いて地面を押し固める作業のこと。
このロードローラーには、イラストのように大きな鉄輪が車体の前後に付いています。
鉄輪の重さを使って進めることでしっかりと地面に圧力をかけ、安定させることができるというわけですね。
4.土地の売却にはどちらがおすすめ?
解体工事後に土地を売りに出そうとしている方にとって気になることのひとつ。
結論からお伝えすると、売却するなら更地よりも整地にするのが断然おススメです。
それはなぜか。
答えは簡単で、購入後の整備の手間や費用を省くことができる整地のほうが魅力的で、買い手がつきやすくなるからです。
更地よりも整地までするほうが費用はかさんでしまうため、その点を懸念されることもあるかもしれません。
ですが、最初から売ることを目的にするのであれば、多少の負担が乗っかってきても、後のことを考えて買い手にとって良い条件をできるだけ整えておくことが大切です。
6.更地渡し前の注意点
建物を解体・撤去し、更地にして引き渡すことを、不動産業界では、更地渡しといいます。
実はこの更地渡し、トラブルに繋がりやすいものでもありますので注意が必要です。
整地作業には明確な決まりごとがありません。
つまり、どの大きさの何をどこまで処分するのかについて法律などによる規定がないため、依頼相手によって仕上がりが異なるというわけです。
そのため、あらかじめどういう状態にしてほしいかをしっかりと伝えておかないと、業者基準で判断・作業をされてしまいます。
丁寧な工事をしてくれない業者にあたってしまった場合、表面だけまっさらにして、いざ掘り起こしてみるとゴロゴロ不要なものが出てくるなんてことも100パーセントないとは言い切れません。
そうすると何が起きるのか。
たとえば、土地の購入者が新築工事を予定している場合、状況によっては解体時の残留物(コンクリートの塊やがれきなど)が邪魔をして、建物を支えるために行う基礎工事を行うことができず、整地するところからやり直しとなることもあります。
基本的に、建物の解体における負担は売り主側が受け持つことが多いため、追加作業で発生する作業費や人件費などが改めてかかる可能性があります。
そうは言われてもそんなに負担もできないし、困るよ…という方は、
- 整地の仕上げはどこまでしてほしいか明確に伝え、必要であれば覚書などの書面で取り決めを交わす
- 引渡しの際にも自分の目で見て、問題がないかどうか確認する
このあたりをしっかりと抑えておくと良いでしょう。
おわりに
今回は更地と整地のそれぞれの意味の違いや、仕上げ方法、更地渡し前の注意点について取り上げてみました。
更地の場合、転圧作業がされていない状態のため、土地の活用の仕方によっては、残留物や雑草などが邪魔をしてそのまま工事に入ることができない可能性があります。
そのため、解体後に売りに出しや新築工事など土地の二次活用をお考えの場合は、整地に仕上げておくと間違いないでしょう。
ただし、整地の仕上げにはいくつか方法があるということと、明確な作業定義がありません。
どのような状態にしてほしいのかを事前に細かく擦り合わせをしておかないと、解体後・更地渡し後の建築時にトラブルとなる可能性がぐんと高まってしまいます。
不安なことは見積もり時点で確認をしたり、契約時に書面上で取り決めておくなどして、丁寧に確認をすることがひとつの安心材料につながります。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります!
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。