昨今、【どこよりも格安です！】【手間をとらせません！】などといった謳い文句を使っている解体業者や無料一括見積もりサイトなどが増えてきていますよね。
一見するととても魅力的に感じますが、そもそも解体工事を依頼するうえで【格安】や【手間がかからない】というのは本当に良いことなのかと疑問に感じる方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、様々なタイプのサービスが蔓延（はびこ）っているからこそ生まれる疑問をもとに、その良し悪しについて考えていきたいと思います。
皆さまの解体業者探しの参考にしていただければ幸いです。
1. 格安を謳う解体業者の質とは
格安と聞いて、お値段以上のクオリティを想像する方は少ないはず。
中にはお値段以上のサービスを格安で提供してくれるところもあるのかもしれませんが、正直大半の方はそこまでの期待をしていないと思います。
「お値段以上は求めないからそれ相応のことをしてくれればいい」という考えも一理あると思いますが、とはいえ誰しもトラブルに巻き込まれたりするのは嫌ですよね。
では、解体工事における格安の実態とはどんなものなのでしょうか。トラブルもなくお値段相応の工事をしてくれるのでしょうか。
その点を考える上でまず明らかにしたいのが、なぜ価格を安くできているのかというところです。
大前提として、解体費用の算出においては建物の「構造」と「広さ」が重要で、おおよその相場があります。
業者によって多少の金額の違いがあるとはいえ、基本的にはその相場から大きく外れるということはないとお考えいただいて構いません。
となると、その格安を謳う業者が相場よりも大幅に安い金額を提示してきた場合は、何かカラクリがあると疑ってみる必要があります。
カラクリと言えども色々な要因が考えられますが、今回はその中でも「質」という点に注目してみたいと思います。
価格と質は比例する
皆さまにぜひ覚えておいていただきたいこと、それは「価格と質は比例する」ということです。
価格が安ければ、必然的に質は下がります。
少しでも低価格でいいものを、という気持ちはサービスを提供する側としては当然持っているものですが、だからといってクオリティを担保するうえでかかるべき費用を大幅に削ってしまうわけにはいかないのが現実です。
そのなかで価格を大幅に下げているのですから、契約前までの書類のやり取りにおける質であったり、担当者の質、工事の質など、工事に係るすべての工程に通ずる質が下がってしまうのは避けては通れないでしょう。
また、低価格の裏には次のようなカラクリなども考えられます。
・契約をとるまでは安価を謳っておいて、あとから追加費用の請求をしてくる
・そもそも費用の内訳や契約内容が曖昧で、お客様に詳細が不透明な状態で契約させている
・手抜き工事や違法行為をしている
・言葉の通じない外国人だけで作業していてコミュニケーションがまったく取れず近隣トラブル
・本来しなければならない手続きや対応をしてくれない
他にもいろいろと考えられますが、一貫して言えるのは本来かかるべき費用がかからないなんてことはあり得ないということです。
解体工事というのは、一度壊してしまったらもとに戻すことができないものです。
また、音や振動を伴う工事ですので近隣の方々にも影響があります。
新築工事を控えたうえでの解体ともなれば、次に入られる業者さんもいらっしゃるわけです。
格安で工事を頼んでそこで何かが起きてしまった場合、そうした工事に係るすべての人に大なり小なり影響が出る可能性も否めないということも踏まえて、本当に安ければなんでもありなのか考えたいところですね。
質の低下はトラブルを生みやすくする
先ほど「何かが起きてしまった場合」と書きましたが、質が下がるとどうしてもトラブルが起こりやすくなります。
解体工事においてよくあるトラブルはこれまでも何度かご紹介をしてきていますが、
・騒音・振動・粉塵、コミュニケーション不足による近隣トラブル
・ヒューマンエラーによる事故・作業ミス
・撤去／残しの範囲の確認・認識漏れ
・不透明な追加費用の請求
などがあげられます。
これらのほとんどは真面目に丁寧に打ち合わせ・作業してくれる業者に依頼していれば、未然に防ぐことがでできたり気を付けてもらえることなのですが、全体的な質が悪ければそれだけトラブルに転じやすくなります。
お客様ファーストで安心・安全・丁寧に解体工事をしてくれる業者であれば、自らトラブルの火種を生むようなことはしないでしょう。
ところで、弊社にお問合せいただくお客様の中には、他社と相見積もりをしながら検討しているという方がいらっしゃいます。
相見積もりと聞くと、最安値を選ぶための手段といったイメージがありますが、ただ単に一番安いところを探すというのを目的としていないケースも多々あります。
たとえば、見積もりの依頼をしたけど対応に不満があった、途中まで話が進んでいたが契約前に聞いていた話とどんどんズレてきて不信感を抱いた、金額ではないが〇〇の部分で他社と比較したい、なんてことは特によく耳にする話です。
事実、過去に弊社で施工させていただいたお客様の中には、相見積もりをした結果ほかのほうが少し安価だったけれど、対応が全然違ったので…といって選んでくださった方も多くいらっしゃいます。
こうした実際のお客様のお声を踏まえても、やはり多くの方が根底に「安いに越したことはないかもしれないが、トラブルにならないためにもそれなりに信頼できるところに任せたい」とお考えになっていることが分かります。
もちろん格安業者が必ず質が悪いとは言いませんが、その金額なりの工事・対応をするがためにサービスの質が落ち、その分トラブルも起こりやすくなる、というのは否めないでしょう。
2. 無料一括見積もりサイトは良い？悪い？
最近では【解体工事】とネット検索すると、当たり前のように検索の上位に出てくる無料一括見積もりを謳うサイトですが、その良し悪しって実際のところどうなのでしょうか。
無料一括見積もりを活用する最大のメリットは「手間を省ける」という点ですよね。
簡単に言うと、壊したい家屋のある場所や建物の種別、延床面積などをわかる範囲で打ち込むだけで、自分で業者を選ばなくても複数社から後日見積もりがあがってくるといったようなシステムですので、ご自分で１から業者を選ぶ必要がない=手間がかからない、というわけです。
画期的といえば非常に画期的なサービスではあります。
ですが、その手間がかからないというのが最大の落とし穴かもしれません。
というのも、「選りすぐりの何百社を選んでいるので大丈夫」「なにかあれば業者との間にも入りますよ」といった謳い文句って果たして本当に良いのでしょうか。
そもそもの業者の選定基準が不透明であれば「選りすぐり」の根拠が見えてこないですし、運営会社と業者が契約関係であるからといって、何百社とある取引業者に対して各担当者が小まめにブラッシュアップ・フォローをしてくれているとも限りません。
つまり、野放し状態にされている業者もたくさんいるというわけです。
5社の見積もり比較を出しますと書かれていても、その5社が安価だけれども質が良いのか、運営会社との関係値がしっかりとできているのかと聞かれると、実際はそうではないこともありうると思うと、決してすごくいい！とは思えないですよね。
弊社でご契約をいただいたお客様の中にも、最初は一括サイトを利用したけれど、そこであがってきた業者のあまりの不誠実さに不信感を抱いたために１から業者探しをし直したとお話されていた方がいらっしゃいました。
ほかにも、「煩雑な手続き関係やトラブルの際は仲介します」という謳い文句に関して、いささか疑問を感じる部分があります。
解体工事における手続きというのは、最初に見積もりをとって契約書を取り交わす、そして工事が終われば滅失の登記をするぐらいです。
これらの手続きは多少の手間はあるものの、決して煩雑ではありません。
特に契約に関しては金銭なども絡んできてトラブルになりやすい部分でもありますので、煩雑でないのであれば直接業者とやりとりすべきところだと思います。
また、トラブルが発生した場合の仲介においても、第三者を挟むことでトラブルが起きてから対応されるまでのスピードが落ちてしまいますし、現場を知らない運営会社が仲介に入ったところでお客様の意図することがそのまま業者に伝わるとは思えませんよね。
そして当然ですが、こうした仲介が入るということはそれ相応のマージンもかかるわけですので、たとえばお客様が150万円の費用をお支払いしたとしてもそのうちの30万円はマージンとしてとられ、解体業者の受注金額が120万円だった場合、実際の工事は120万円分のクオリティでしか行われないということになります。
便利さの背景にはこうしたデメリットも便利さもありますので、ご利用の際はその点を理解しておいた方が良いでしょう。
もちろん、対応へのスピード感や業者のレベルや質の不透明さなど、諸々の気になる事を差し置いてでも少しでも簡単に安価な業者を探したい！というのであれば、この手のサービスは使い勝手良く思えることもあると思いますので、結論としては、皆さまが一括サイトに「何をどこまで求めるか」によってその良し悪しは変わってくるのかもしれませんね。
3. 賢い解体工事の進め方
最後に、もっとも賢い解体工事の進め方をご紹介します。
それは「解体業者へ直接依頼する」こと、これに尽きます。
更にいうのであれば、下請け業者を使わずに自社班をもって施工してくれるところをお探しになるのが一番良いでしょう。
もちろんその場合は先ほど取り上げたような一括サイトを使わないので、お客様ご自身で業者を検索したり選定したりする必要があり、それなりの手間はかかります。
ですが自社施工の業者に直接依頼をするだけで、
- ご自身の目で業者を見極めることができる
- 金額と同等の工事をしてもらうことができる（中間マージンがかからない）
- トラブルがあった際の責任の所在が明確になる
- 仲介者がいないので、直接確認ができるため認識のズレを防ぐことができる
といったメリットがあります。
解体工事でよく言われている「不透明さ」といったものをすべて一蹴できるわけですので、手間をかけてでもご自身でお探しになるのが最も賢い方法だと言えるでしょう。
石井商事は、下請け業者を使わず、すべて自社班にて解体工事をさせていただいております。
ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問合せくださいね。
おわりに
今回は、最近よく見かける解体工事の格安業者と一括サイトについて深堀りしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
解体工事に限らず、安いのにはそれなりの理由があり、手間がかからないのにはそれなりのデメリットもあるということがお分かりいただけたかと思います。
皆さまが何を重要視して解体工事をしたいのかによって、業者選びや探し方は変わってきますので、ただ安いから！楽だから！で決めてしまうのではなく、しっかりと情報やメリット・デメリットを見極め、後悔のない解体工事にしましょう。
とてもありがたいことに、現在でも6社のハウスメーカーさんとお取引があり多くの現場をまかせていただいております。
ハウスメーカーさんの厳しい施工基準に対応するという経験値も積んでいるので、サービスの質や技術には自信があります！
解体工事をお考えなら、ぜひ安心してお問い合わせください。