いきなりですが、想像してみてください。
いまご自身の目の前に、もう必要のなくなったものがあるとします。
その気持ちから、処分することを検討したものの、実際に調べてみたら処分するのにお金がかかることが分かりました。
どうでしょうか。
処分にお金がかかるのは百歩譲って仕方ないこととしても、要らないものにはあまりお金をかけたくないという気持ちになりませんでしたか?
われわれは、解体工事を検討される施主様の本音というのは、この気持ちとほぼ等しいものと考えています。
誰しも要らなくなったものに対しては、お金を使いたくないですよね。
正直、解体工事にかかる金額は安いとはいえません。
ですが借地を更地にするにしても、同じ土地に新しく家を建て替えるにしても、工事自体は必要になってしまうのが難しいところ。
手放すための準備には、多かれ少なかれ費用が生じてしまうということですね。そうなると、解体工事にかかる費用を極力安く抑え、その分をその後の資金として充てたいというのが正直なところでしょう。
しかしながら、なかには安さを売りにした悪質な業者もたくさん存在します。
こうした業者に引っかかることなく、上手に解体にまつわるコストダウンを図るためには、どのような点を注意すれば良いのでしょうか。
目次
1.信頼できる業者を見極めよう
解体工事を行う際に一番負担となるのが、ずさんな業者に依頼することで生じるトラブルの数々です。
管理の不行き届きによって生じるトラブルの事案はさまざまありますが、代表的なものでいうと以下のようことが挙げられます。
- 安全対策不足による解体作業中の事故
- 騒音・振動などに対する対策
- 事前の挨拶や説明の不足で生じる近隣トラブル
他にも、処理コスト削減のために、工事中に出る産業廃棄物を不法投棄をしているようなところもゼロではありません。
もちろん不法投棄に関しては業者責任になりますが、廃棄物の出所を調べる段階で皆さんに疑いの目が向けられてしまうなんてことも、ないとは言い切れないですよね。
残念なことに、いま挙げたものはあくまで一例にすぎません。
こうした必要のない労力やコストがかかる可能性を考えれば、適当に業者を選んでしまうリスクの高さがお分かりいただけるかと思います。
では、信頼できる業者を見極めるためには、何を意識したら良いのでしょう。
今回の事例に沿って、ポイントを3つお伝えしたいと思います。
(1)リスクヘッジについて確認する
ひとつ目は、前述したような工事中に起こりうるトラブルに対して、業者がどのような策を講じるのかを事前に確認しておくことです。
解体工事は、トラブルや事故が常に隣り合わせ。
それらを起こさないためには、業者側の意識づけや行動の仕方が大変重要になります。
もしも事前の打ち合わせの時点で、安全対策などの説明が不足している場合は、日頃の管理からずさんな可能性が大いに考えられます。
後々になって重大な事故やトラブルを引き起こさないよう、すこしでも業者の説明などに違和感を覚えたら依頼するのは控えましょう。
(2)見積もりの内容を確認する
業者に見積もりを取った後は、その記載内容をしっかりと確認しましょう。
業者によって書式の違いはあれど、工事にかかる費用の内訳として不明瞭な記載があるかどうかは、内容を見れば一目瞭然だと思います。
気になる部分が見つかったら、納得できるまで確認をすることが大切です。
また見積もりを取る際に大切なのは、中身の確認だけでなく、複数の会社に依頼すること。
というのも、取り壊し工事の場合は、産業廃棄物の処理費がコストのメインを占めるため、処分場の違いなどによって費用の差が出やすいからです。
実際、二つ以上の会社の見積もりを比べてみると、何十万円もの金額差が出るということもあり得ます。
後になって後悔しないためには、複数の中からじっくりと比較することが重要です。石井商事では、明朗会計に努めています。
施主様に少しでもご安心いただけるように、お見積書の内容にも工夫を凝らしていますので、ご興味のある方はご一読くださいね。
(3)産業廃棄物管理票(マニフェスト)を見せてもらう
ふたつ目は、「産業廃棄物管理票」(以下「マニフェスト」と称する)を見せてもらうというもの。
これは少々難易度が高く感じられるかもしれませんが、業者が不法投棄をしていないかを確認する上では、もっとも確実な方法です。
解体工事などで出る廃棄物は、処理の方法が法律によって定められています。
マニフェストとは、今まで解体した現場の廃棄物をどの処理場に持っていき、どのように処理したかということを示した書類のこと。
つまりこの書類が、廃棄物の処理過程の証明になるのです。
きちんとした会社であれば「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で定められた期間(5年)の間、しっかりと保管されているはずです。
このマニフェストは施主様が請求可能なものになりますので、気になる方は業者に依頼して見せてもらうのが良いかもしれません。
万が一この書類を整備していない業者に出くわした場合は、違法な手段を使って廃棄物を処理している可能性が高いので、注意が必要になります。
2.工事は解体会社に直接依頼しよう
住宅などを取り壊す際、ハウスメーカーに相談してみるという人は少なくありません。
たしかに、解体工事の契約や見積もりなど、面倒な作業をまとめて引き受けてくれるため、より簡単に工事を進めることができます。
ですがコストカットの観点でいうと、メリットよりもデメリットが目立ってしまいます。
というのも、最終的な工事を行なう解体業者との間に他の会社が入り込むほど、マージンが発生してしまい、費用が膨らんでしまうからです。
余計な費用を抑えて低コストで工事を終えるためにも、多少手間ではありますが、できるだけ自分で住宅の取り壊しを行う会社を探して直接依頼するのが良いでしょう。
3.事前にできることは済ませておこう
解体工事を始めるには、ガス・電気・水道のライフラインを止める手続きや、荷物の整理・処分など事前に済ませておくべき厄介な作業があります。
仕事などが忙しくて自分でやる暇がないという場合、代行会社に依頼してしまう方が楽に感じますよね。
しかし、こうした面倒に感じる作業を自分たちで行なうことこそが、コスト削減への一番の近道です。
特に電気や水道を止める手続きなどは、比較的簡単に行なえます。
インターネットで調べて電話をして申し込みをしたり、必要であれば役所などに出向くだけですので、それほど長い時間もかかりません。
そのほか、引っ越し作業や不要品の処分などに関しては、あらかじめ予定を計画立ててから行動することなどが大切です。
少々大変ではありますが、費用面を考えるのであれば、可能な限り業者を頼らない方法を取ると良いでしょう。
こうした解体工事に付随する作業にかかる日数や時間の目安は、以前にも記事にしていますので、参考にしてみてくださいね。
まとめ
今回は、解体工事にかかるコストを少しでも安く抑えるために、何が大切かについて詳しく見ていきました。
コストの削減で重要なことは、以下の3点。
- 解体業者を正しく見極める
- 工事は仲介会社を挟まず、解体業者に直接依頼する
- 出来ることは自分で済ませる
このポイントさえしっかりと抑えられていれば、おかしな業者に引っ掛かることもなくなりますし、無駄な費用もかからなくなります。
あとは業者の見積もりなどからご自身のニーズに合った業者を比較・検討するだけで良くなるので、より安心して解体工事を依頼できるでしょう。