解体工事を巡っては、さまざまなトラブルが起きることが想定されます。
もちろん多くの業者が日頃から大きな問題を起こさないように、慎重かつ丁寧な作業を心がけているわけですが、人が作業をしている以上は万が一の事態ということも考えられますよね。
実際、解体工事が原因でトラブルに発展してしまうケースというのは、さほど珍しいことでもないのが現実です。
そこで今回は、解体工事で起こりうるトラブルについて、近隣の皆さまと施主さまの2つの視点からご紹介していきます。
もちろん、なかには事前の対策次第で回避できる内容もありますので、よろしければ参考にしてみてください。
1.近隣とのトラブル3選
ご存知のように、解体工事は重機などを使って建物を壊していくものなので、決して規模の小さな工事ではありません。
そのため、「こんなことにも?」というような些細なことであっても細心の注意を払っていかないと、トラブルに発展する可能性だけでなく、そのトラブルが大きくなる可能性までぐんと上がってしまうわけです。
場合によっては、そのトラブルに近隣の方々が巻き込まれてしまうなんてことも。
施主さまからしても、困ってしまいますよね。
では、具体的にはどのような問題が発生しやすいのでしょうか。
一つずつ掘り下げてみていきたいと思います。
振動・騒音問題
近隣トラブルのなかでも多く聞かれるのが、振動・騒音問題。
正直なお話をすると、解体工事において揺れや音が出てしまうのは、機械を使う以上やむを得ないことではあります。
とはいえ、あまりにも度を越えた振動や騒音であれば考えものですよね。
実際この問題に対しては、環境省により騒音が85dB(※1)、振動は75dBまでと厳しく規制されているので、作業の際はそのラインを遵守している必要があります。
そう言われても、数値を言われただけだとあまりピンとこないですよね。
では分かりやすく、これらのdB数を「日常生活で耳にする音」に置き換えてみたいと思います。
- 70dB→騒々しい街頭やざわついている社内、セミの鳴き声など
- 80dB→地下鉄の車内や交差点、電車の車内など
75dbと85dbに近いdb数で、よく例えられるイメージはこんな感じです。
どうでしょうか。どちらも「静か」ではなく「うるさい」と感じるレベルなのではないかと思います。
これが更に大きくなると、車のクラクションや電車通過時のガード下、飛行機のエンジン音などになってくるため、多くの人が「かなりうるさい、大きい」と感じることと思います。
騒音・振動問題において施工業者がすべきことは、できるだけ音を小さく、振動を少なく抑えることに尽きます。
そのために私たちがしていることが、以下の3つ。
- 防音シート等の使用
- 1日の作業時間や時間帯、日数の調整
- 低振動の重機等の使用
特に⒉については、法律で定められた以下のような規定がありますので、そのルールに則っている必要があります。
区域 | 作業時間・日数 | 時間帯 |
一号区域(住宅地・商用地) | 10時間以内・連続6日間迄 | 午前7時~午後7時 |
二号区域(工業地域) | 14時間以内・連続6日間迄 | 午前6時~午後10時 |
万が一恒常的に基準値を超えて作業をしている場合は、市区町村から改善勧告を出されることがあるので最大限の注意が求められます。
※1 「db」とはデジベルという音の大きさを示す単位のこと。
建物の損傷問題
解体工事においてごくまれに発生するのが、建物の損傷問題です。
「まさか隣の家を壊すなんて、そんなことないでしょ」と思いますよね。
ですが、全くないとは言い切れないのがこのトラブルなんです。
たとえば重機での作業中に、お隣さんの建物の一部を傷つけてしまった、振動で外壁等にヒビが入ってしまった、窓ガラスが割れてしまったなど。
これらは隣家との間に養生をするための十分なスペースが足りないことや業者側の対策不足など、様々な要素が原因となって起こります。
近隣の皆さんからしてみれば、やむを得ない理由で起きてしまったことだとしても、決して気持ちの良いものではないでしょう。
事前挨拶問題
最後に挙げるのが、事前挨拶を怠った場合に起こるトラブルです。
石井商事では、着工日の3~10日ほど前までに近隣の皆さまへご挨拶まわりをさせていただきます。
この挨拶まわりというのは、私たち施工業者にとって基本中の基本なのですが、中にはそんな当たり前のことすら怠る業者も。
では、挨拶をろくにしない状態のまま工事が始まってしまうと、どんなことが起きるのでしょうか。
たとえば近隣の皆さまから
- いきなり工事を始められても困る
- 工事を中断してほしい
などといった不満の声が生まれてくる可能性があります。
こうしたお声はごもっともで、何の断りもなしにいきなり工事が始まり、揺れたり騒音がしたりしてはたまりませんよね。
この問題に関しては、直接挨拶に伺って近隣の皆さまに工事に対する説明をすることで、ご理解・ご協力いただくことが最も重要です。
施工業者からはもちろんのこと、施主さま側からもあらかじめ「工事を控えている」という話があると、より誠意が伝わりやすくなるかと思います。
解体に伴う工事は一時的なものですが、近隣の方々とのお付き合いはそうともいきません。
長く良い関係を続けていく上で配慮すべきことは、しっかりと対応しておくと良いでしょう。
2.施工業者とのトラブル3選
つづいてが、施工業者とのトラブルについて。
ここではよくあるトラブルの中から、3つピックアップしてご紹介をしたいと思います。
壊すもの・残すもの問題
壊すもの・残すものってどういうこと?と思いますよね。
こちらは非常にありがちなトラブルで、その多くは業者と施主さまとの間の認識の違いによって起こるものです。
例えば、施主さまが「これは残しておきたい!」と思って伝えておいたはずものが、業者側の勘違い・ミスによって誤って壊されてしまったなど。
逆も然りで、壊してほしいと思ったものが壊してもらえていなかったというケースもあります。
こうしたことを防ぐためにも、事前の打ち合わせは丁寧に行い、何を壊して何を残したいかというのを明確にしておくことが大切です。
また、必要であれば書面などに残しておくなどの対策をとるようにしましょう。
追加費用の請求問題
解体工事では、状況によって追加費用・追加工事が発生することがあります。
どんな時に発生するのかというと、
- 地中埋設物が見つかった
- アスベストが見つかった
このような場合です。
これらは致し方のない追加作業とも言えますが、いったいなにが問題となってくるのでしょう。
その答えは、事前の説明なしで追加工事の手配や作業を進めてしまうことにあります。
地中埋設物やアスベストというのはすべてのお宅から見つかるものではありませんし、実際に掘り起こしたり調査をしないとその実態は分かりません。
ですが、追加工事なんて言われてしまったら、いったいどれくらい工期が延びるのか、費用はどれくらいかかるのかなど不安な気持ちになりますよね。
こうした不安を解消していただくためにも、追加工事が発生する場合の対応や費用については、着工前のご契約段階までに業者側からしっかりと説明がされている必要があると言えます。
ましてや、断りや説明もなしに工事を行ない、後から費用だけ請求するなんてことはもってのほか。
トラブルに発展しないためにも、事前に確認または書面に残してもらうようにしましょう。
工期の延長問題
最後に取り上げるのが、工期の延長にともなう問題です。
解体工事は、原則外での作業。
そのため、時に天候などを理由に工期が予定よりも延びてしまうということがあります。
作業に危険をもたらす可能性がある天候の日が連続した場合、「どうしてもこの日までに終わらせたい!」というご希望に添いかねる可能性も否めません。
また、先ほど取り上げた追加工事が発生した場合も工期に影響が出る場合があります。
トラブルにならないためにも、ご依頼の際はある程度時間の余裕をもっていただくと安心でしょう。
おわりに
解体工事は、トラブルと常に隣合わせであると言っても過言ではありません。
こうした問題に巻き込まれないために最も大切なのは、施主さまご自身で業者を見極めることが大前提です。
業者の良し悪しというのは、施主さまや近隣の皆さまなど工事に携わる方々によって判断されるもの。
そのため、当然皆さまからの信頼を獲得するために業者にも基本の徹底・企業努力が求められますが、トラブル回避という観点においては施主さま側にもできることがあります。
それが、以下の2つです。
- 安心・信頼できる業者の選定
- 工事に関する不明点は疑問が無くなるまで確認をし、事前の準備や対策をしっかりと行なう
最低限この2つを意識していただければ、業者と施主さま・近隣の皆さまとの間で大きなトラブルに発展する可能性は大幅に減るでしょう。
気持ちよく工事の最後を迎えられるように、各々がしっかりと対策しておくことが大切ですね。
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